11者12作品決まる 建築文化賞 知事賞に伊東・横須賀JV

[2024/4/23 茨城版]
 県建築士事務所協会(舟幡健会長)は22日、「第37回茨城建築文化賞」(県建築士事務所協会主催、県建築センター・県建築士会・県設備設計事務所協会・県建設業協会協賛)の受賞者11者の12作品を公表した。このうち、知事賞は「水戸市民会館」を設計した伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所JVが受賞となった。表彰式については5月24日に、水戸市のテラスザガーデン水戸で開催する同会の通常総会の中で執り行われる予定となっている。

 建築文化賞は地域の周辺環境に調和し、かつ景観や機能的に優れている県内の建築物などを表彰することで、「文化の香り高い魅力あるまちづくり」に対する意識の高揚を図ることを目的に毎年実施している。37回目を数える今回は、28点の応募があった。

 これらの作品を学識経験者や県土木部幹部職員、関係団体代表者らで構成する茨城建築文化賞審査委員会が厳正に審査を行った。1次審査で5作品を選出し、20日には2次審査で現地を視察。その結果を受けて、知事賞や議会議長賞などを決定した。

 このうち、知事賞を受賞した水戸市民会館は市民の集うリビングのような施設を目指した。2000席を有する大ホールのほか、木組みの屋内広場である「やぐら広場」を中心に日常的な利用から国際会議などにも対応した機能と空間を備えた複合的な公共施設となる。衰退しつつある中心市街地の活性化を目指して、建物外周部を力強く親しみやすい木造で囲い、あらゆる年齢の人たちが日々気軽に利用できるオープンスペースを各所に配置した。

 国道50号に面する南側は小規模なスタジオや会議室での市民の活動や賑わいが街と繋がり、水戸芸術館と大ホールホワイエが向かい合う北側は文化芸術の賑わいを創出。偕楽園の梅の花を模した大ホール観客席の音響反射板ややぐら状の木組み、多様な国産・県産材を利用した仕上げや家具など、水戸が持つコンテクストを活かした施設づくりを行うとともに、優れた音響・設備性能を確保しつつ、自然エネルギーを活用した快適かつ省エネルギーな建築を実現した作品となっている。

 以下、受賞者と受賞作品は次の通り。
【知事賞】
▽伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所JV「水戸市民会館」
【議会議長賞】
▽三上建築事務所「水戸市下入野健康増進センター」
【土木部長賞】
▽竹中工務店一級建築士事務所「エーザイ筑波研究所」
【茨城新聞社賞】
▽河野正博建築設計事務所「筑波山観光案内所」
【茨城県建築士事務所協会長賞】
▽吉田建築計画事務所「暁保育園分園」
【住宅部門最優秀賞】
▽カナザワ建築設計事務所「プライベートコートを楽しむ平屋」
【住宅部門優秀賞】
▽サンハウス一級建築士事務所「町角の家」
▽coba設計「六ツ野の家」
【入選】
▽andHAND建築設計事務所「GRANBERRY DAICHI」
▽AAOAA一級建築士事務所「水戸の美容室」
▽日立建設設計第一設計本部一級建築士事務所「日立建機土浦工場 Orange Innovation Plaza」
▽竹中工務店一級建築士事務所「茨城キリスト教学園高等学校4号館」

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