施工は秋山JVに 県植物園リニューアルのプロポ(県林政課)

[2024/5/30 茨城版]
 県林政課は県植物園等整備・管理運営事業に係る公募型プロポーザルについて、優先交渉権者に一家レジャーサービス(千葉県市川市)を代表企業とするボタラシアンリゾートを選定した。設計は柴建築設計事務所(水戸市)・大山都市建築設計(筑西市)、施工は秋山工務店(日立市)・秀建(千葉県千葉市)・浅川建設(那珂市)JVが担当する。今後は6月議会での承認を得た後に着手し、25年4月のリニューアルオープンを目指す。

 この事業は老朽化や利用者減少が進む県植物園と県民の森のリニューアルを行うもの。対応方針としては、施設の現状や利用状況を踏まえ、植物園としての機能を活かしつつ、県内外からの集客を実現できる魅力あふれる施設への一新を図ることを掲げた。その際には、民間のアイデアを活用し、新たなコンセプトを導入することを想定する。概算事業費には約30億円と試算。なお、基本計画はザファーム(千葉県香取市)、基本設計は船場(東京都港区)が担当した。

 基本コンセプトは「緑に遊び、緑に包まれて眠る、日本初の泊まれる体験型植物園」とし、▽日本で唯一の「泊まれる植物園」▽日帰り・宿泊に対応した新しいリゾートへ再生▽自然を感じながら、植物を学び・親しみながら、大人も子供も楽しい植物園に──を盛り込んだ。また、基本方針では、従来の植物園の機能は維持しつつ、これまでの利用者にも配慮した施設整備を行うとした。

 リニューアルで新設する施設は、▽宿泊施設▽温浴施設▽レストラン▽バーベキュー場▽ボタニカルゲート──となる。このうち、宿泊施設は植物園の敷地内にコテージ18棟とグランピング27棟を整備する。

 温浴施設は、温泉を想定。施設は植物園の入口付近に設置する。内部には露天風呂やサウナ、リラックスルームを盛り込む。構造・規模は木造平屋1127平方mとする。

 レストランは既存のバラ園付近に配置。日帰り利用者や宿泊利用者が利用でき、ガーデンウェディングの利用も想定した施設とする。規模は木造平屋349平方mとなる。

 また、熱帯植物館では一部を改修し、内部にカフェやサウナを整備していく。カフェにはバニラの木を植え、香りを楽しめる「バニラドームカフェ」とする。なお、熱帯植物館の既存の機能は維持していく。既存施設の構造・規模はS造平屋2693平方mとし、このうち改修面積は約200平方mを予定する。

 アクティビティでは、ツリーアドベンチャーやボタニカルワークショップ、ナイトライトアップなどを予定する。ツリーアドベンチャーでは、ジップラインや、森を活用したアスレチックを想定。設置場所は植物園と県民の森の間あたりを想定している。

 公募には1グループが参加。優先交渉権者となったボタラシアンリゾートは、代表企業に一家レジャーサービス(維持管理・運営)、構成企業に一家ダイニングプロジェクト(維持管理・運営)、ザファーム(維持管理・運営)、柴建築設計事務所(実施設計・工事監理)、大山都市建築設計(実施設計・工事監理)、秋山工務店(建設工事)、秀建(建設工事)、浅川建設(建設工事)の8社で構成する特別目的会社となる。優先交渉権者選定後には、同グループと県で基本協定を締結した。

 なお、6月議会には工事請負契約として、県植物園等整備工事を秋山・秀建・浅川JVと税込27億1939万8000円で契約する案が提案されている。工事内容は温浴施設建築工事やコテージ建築工事などを盛り込み、工期は25年3月に設定。工事契約が可決となれば、整備に着手し、25年4月のリニューアルオープンを目指す。

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