県土整備評価審で道路事業2件の継続了承 八木拡幅30億円増に(千葉県)

[2024/12/21 千葉版]
 千葉県の県土整備公共事業評価審議会(会長・轟朝幸日本大学理工学部教授)が20日、オンライン方式で開かれ、国道126号八木拡幅と県道成田小見川鹿島港線の道路事業2件について、再評価を実施し、いずれも事業の継続が了承された。八木拡幅については工事費を30億円増額する方針が示された。

 両事業とも再評価から5年が経過していないものの、事業期間の延伸や事業費の増額が見込まれるため、再評価を実施している。

 八木拡幅は、銚子連絡道路の一部を構成。銚子市三崎町地区から旭市八木地区までの延長5.7kmを対象に、3工区に分割し、バイパス整備や現道拡幅を進めている。

 旭市側1工区のバイパス整備を優先しており、事業進ちょく率は70%(事業費ベース)、用地進ちょく率は78%(面積ベース)となっている。

 事業費は、工事費が約30億円増加するため、85億円を見込む。増額の内訳は、市道の機能補償道路を整備するための跨道橋の新設で20億円、2号函渠の仮設工変更で5億円、労務単価や資材コスト上昇で4億円となっている。

 事業期間は、用地取得の交渉が難航している箇所や、用地の引き渡しに時間を要する物件があることから、3年延伸する。供用開始時期を2031年度から34年度に見直している。

 費用便益比(B/C)は事業全体が1.1、残事業が3.7。委員からは、工事費の増額理由や用地取得に関する質問などが出された。

 成田小見川鹿島港線は、成田空港の機能強化や圏央道の整備により増加する交通需要に対応するため、成田市取香地区から多良貝地区までの延長4.2kmで4車線化を進めている。

 取香、駒井野(天神峰トンネル)、天神峰、川上の4工区に分割。駒井野工区は4車線化が完了しており、天神峰、川上の2工区で工事が本格化するほか、取香工区で用地取得などに取り組んでいる。全体の事業進ちょく率は95%(事業費ベース)、用地進ちょく率は94%(面積ベース)となっている。

 事業費は約3億円増加し、約57億円を概算。増額の内訳は、鉄道交差部断面の変更で1億1000万円、労務単価・資材コスト上昇で1億9000万円となっている。

 事業期間は、用地取得の交渉が難航しているため、4年延伸する方針。28年度の事業完了を目指しており、圏央道(大栄~横芝)の開通に合わせた一部供用も視野に入れている。

 費用便益比は事業全体が3.4、残事業が27。県道路整備課は、取香地区では用地を確保した箇所から工事を早急に進めていく考えを示している。

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