補正含め75.6億円 河川事業 久慈・那珂川の緊プロ推進(常陸河川国道)

[2025/5/1 茨城版]
 国土交通省常陸河川国道事務所(佐近裕之所長)は、25年度の河川事業概要をまとめた。河川関係の事業費は総額10億2200万円で、24年度の補正予算で確保した65億3800万円を含めると75億6000万円となっている。本年度は久慈川や那珂川の緊急治水対策プロジェクトを中心に、久慈川の辰ノ口築堤や、那珂川の大場遊水地整備を進めていく。

 24年度補正を含めた事業費内訳は、一般河川改修費が久慈川に4億9000万円(うち補正分1000万円)と那珂川に5億4700万円(同1500万円)。緊プロなどの河川等災害関連事業費が24年度補正分で、久慈川に3億9800万円と那珂川に61億1500万円となっている。

 主な事業では、両河川の緊急治水対策プロジェクトで、久慈川では辰ノ口築堤を進める。那珂川では栄町、勝田、吉沼、野口、下伊勢畑の各築堤工事、大場遊水地の築堤と樋管改築、下境の築堤と樋管新設を行う。

 久慈川緊急治水対策河川事務所と共に進めている久慈川緊急治水対策プロジェクトでは、19-26年度の8年間に、総事業費約647億円(国約631億円、県約16億円)を投じる。本水からの越水防止を目指し、河道掘削や堤防整備、霞堤整備などを進めるほか、上流部や支川の浅川などの県管理区間では、国が権限代行により河道掘削、堤防整備、橋梁の架け替えなどを行っている。

 3月末時点の進捗状況は、国管理区間で河道掘削工事(全体約105万立方m)が57%、堤防整備工事(同約14.6km)が44%、用地補償が86%。権限代行区間では、河道掘削工事(同108万立方m)が39%、堤防整備工事(同18.2km)が42%、用地補償が96%となっている。

 那珂川緊急治水対策プロジェクトでは19-26年度の8年間で、総事業費約813億円(国約669億円、県約144億円)を投じる。内訳は災害復旧に約219億円、改良復旧に約594億円で、堤防整備や河道掘削、大場遊水地、下境霞堤整備などを進めている。

 3月末時点の進捗状況は、堤防工事(全体約12.8km)が75%、河道掘削工事(同160万立方m)が65%、遊水地工事が21%、霞堤工事が22%となった。堤防工事では、中流区間(約4.4km)のうち、野口・下伊勢畑地区(常陸大宮市)が66%、下江戸・下圷地区(那珂市・城里町)が完了した。下流区間(約8.4km)では、吉沼地区(水戸市)が35%、大野地区(水戸市)が完了、勝田・栄町地区(ひたちなか市)が71%などとなっている。本年度は「R6那珂川左岸小野排水樋管ゲート設備工事」を第1四半期に一般競争入札で発注する。常陸大宮市でゲート設備の製作・据付などを行うもので、工期は約10カ月間。工事発注規模は3000万円以上7000万円未満としている。

 常陸大宮市と城里町で整備を進めている大場遊水地では設計が完了し、工事進捗率は21%。本年度は3月に発注した「那珂川大場遊水地盛土整備他工事」(施工は大貫工務店)などを進めていく。

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