6所への再編盛る 市立保育所 在り方と今後の方針策定(水戸市)
[2025/5/8 茨城版]
水戸市は、「市立保育所の在り方と今後の方針」をまとめた。現在11カ所ある保育所は、28年度から32年度までに6カ所に再編。再編後の施設でも統合や廃止、民間移譲などを検討する。廃止後の施設は、子育て支援やその他市有施設としての利活用や、売却処分などの方針を決定する。
市内では、保育所などの利用希望者増加に伴う待機児童の解消へ、民間保育所や小規模保育施設の整備を進めた。これにより、13年度から現在までに43カ所の民間保育所などが新設されている。
一方、保育所などの利用者は依然として多いものの、少子化により就学前児童数が減少。今後の児童数減少を視野に入れ、保育所の在り方を検討する必要が生じた。また、11カ所ある施設のうち4カ所では築後35年以上が経過。施設老朽化による維持管理費の増加や安全・快適な環境確保の課題も発生していることから、在り方と今後の方針を定めた。
施設の状況を詳しく見ると、8カ所が築後20年以上経過し、このうち4カ所では35年以上となっている。最も古いのは1979年建築の双葉台で築後45年。次いで80年建築の杉山が築後44年となった。こうした状況から、11カ所の年間施設修繕費は1000万円前後に上っている。
今回まとめた在り方と今後の方針ではまず、市立保育所に求められる役割を担うための体制を整えることを掲げている。また、市立保育所ならではの特色を持たせた運営を目指すため、統合・廃止や民間移譲を含めた再編を掲げた。
具体的には、民間移譲を行わずに拠点となる保育所として今後も市が運営するのは白梅と河和田の2カ所とした。近隣保育所との統合などにより廃止となるのは、杉山と平須、双葉台のほか、河和田に統合する一の牧、城東に統合する若宮の計5カ所となっている。
それ以外の新原、緑岡、城東、渡里では現行のまま運営を継続する。これらについては、ニーズの高い施設は民間移譲を、それ以外の施設では統合や廃止を検討。新原では児童数が大きく減少した場合に渡里への統合を検討するほか、周辺の認定こども園が充実する緑岡では廃止も検討する。若宮と統合する城東、新原と統合する渡里では、ニーズを見ながら民間移譲も検討する。
直近の計画によると、28年度にも若宮を城東に、一の牧を河和田にそれぞれ統合。平須では30年度、杉山と双葉台は31年度から廃止となる。