駅西側でLRT整備 実施計画 大谷地区で道の駅など再整備(宇都宮市)
[2025/5/8 栃木版]
宇都宮市は、計画期間を2025年度から27年度とする総合計画実施計画をまとめた。それによると、道路・公園・学校施設の整備を進めるほか、児童相談所の基本計画策定、冒険活動センター第1期大規模改修事業、総合治水・雨水対策推進事業、南消防署の移転・改築、「道の駅」ろまんちっく村・大谷公園・大谷景観公園の再整備、屋内プール整備に向けた検討、2地区の新産業団地整備、太陽光発電等の再エネ設備の導入、下河原水再生センターの再構築、新ごみ焼却施設の整備検討、JR宇都宮駅西口周辺地区の再整備、LRTの宇都宮駅西側の整備に取り組む。=2面に実施計画の建設関連事業一覧
児童相談所や屋内プールを検討
「全ての子どもが安心して健やかに成長できる社会の実現」では、全天候型子どもの活動の場の拡充に向けた調査・検討に800万円や、児童相談所設置推進に6600万円を計上した。児童相談所の複合機能には一時保護施設のほか、こども家庭センターと青少年自立支援センターも盛り込み、敷地面積2800平方m以上を確保する。今後は外部有識者会議などで検討を重ね、2026年2月に基本計画を策定する。
「誰もが夢や希望を持ち必要な教育を享受できる社会の実現」では、冒険活動センター第1期大規模改修事業に6億1200万円を計上して施設改修を進める。第1四半期には、中央監視装置改修工事やエレベータ改修工事などを発注する。
学校施設整備事業は115億0700万円を計上し、校舎や体育館の長寿命化改修やトイレ洋式化改修、校舎改築、校舎や武道場の空調整備などを実施する。25年度は今泉小学校体育館の改築工事、西原小学校校舎の長寿命化改修工事、石井小学校と横川西小学校の校舎長寿命化改修設計、雀宮南小学校体育館の長寿命化改修設計、16小学校校の体育館トイレの洋式化工事、19小学校の校舎トイレ洋式化などに着手する。
「誰もが安全・安心に日常生活を送ることができる社会の実現」では、地域防災力の向上に向けて防災備蓄庫を整備するため、中央卸売市場の防災備蓄庫解体、備蓄庫新設の実施設計や工事で5500万円を計上した。大規模盛土造成地滑動崩落防止事業では、2地区の滑動崩落防止工事に4億円を計上している。
安全安心な都市公園づくりでは、公園のバリアフリー化や危険樹木の伐採のほか、八幡山公園急傾斜地の崩壊防止施設整備で5億7400万円を計上している。
総合治水・雨水対策推進事業は、道路排水施設の整備に4億8900万円、河川整備に44億8800万円、奈坪川第1・鬼怒川・中丸川・鶴田第5・駒生川・姿川第2・新川第6の各排水区の雨水幹線整備に70億8800万円を配分したほか、28年度の防災ハザードマップ改訂に合わせた内水浸水想定区域の見直しで、浸水解析調査に4400万円を計上する。
消防施設整備事業は南消防署の移転・改築に着手し、14億4500万円を計上する。改定した整備基本計画によると、新施設は上御田町地内で25年度から用地取得に着手し、26・27年度で造成工事、27・28年度で建設工事を行って、28年度の供用開始を目指す。消防団詰所改築事業には4億0300万円を計上し、詰所の改築を進めるほか、旧上河内町・河内町地域で適正配置を検討する。
「地域資源を守り、活用した賑わいと活力ある社会の実現」では、ろまんちっく村再整備事業に2000万円を計上する。施設の老朽化に対応するほか、市北西部の観光の拠点となるよう施設を再整備するもので、再整備基本計画の策定や民間活力可能性調査を行う。大谷公園や大谷景観公園の再整備には、6億9400万円を計上した。
スポーツを活用したまちづくりの推進では、(仮称)第3次スポーツ施設整備計画の策定や清原球場修繕保全工事のほか、屋内プール整備に向けた検討で1億1200万円を計上した。屋内プールはJR宇都宮駅東のLRT沿線(東部スポーツウェルネスライン)エリアで候補地の選定を進めており、検討がまとまり次第、基本設計に着手する。
バスケットボールチームの宇都宮ブレックスの新アリーナ整備支援事業には、着工した市体育館の改修も含めて3億6000万円を計上している。新アリーナは、駅東公園を候補地として検討や協議を進めていく。
史跡等保存活用推進事業では、うつのみや遺跡の広場の保存活用計画の策定のほか、VR等のデジタル技術を導入で2900万円を計上した。実施設計を策定するほか、デジタル技術を活用した広場の再整備に着手する。文化会館は空調設備や非常放送設備の改修で、8億4600万円を計上している。
「各種産業の強みを生かした持続的に発展する社会の実現」では、産業団地の整備に21億3700万円を計上し、新たな産業団地の整備に向けた取り組みを進めていく。候補地は(仮称)インターパーク東地区と、(仮称)宇都宮工業団地東地区の2カ所。インターパーク東地区は事業区域にみずほの自然の森公園南の約36haを構想し、概算事業費は110億円を見込む。26年度までに事業計画をまとめ、27・28年度に用地買収や実施設計、29~31年度に造成工事を行い、32年度の分譲を目指す。宇都宮工業団地東地区産業団地は事業区域を宇都宮工業団地南東の約32haで構想し、概算事業費は150億円。27年度までに事業計画をまとめ、28・29年度に用地買収や実施設計、30~32年度に造成工事を行い、33年度の分譲を目指していく。
中央卸売市場は、施設等保全計画の検討や策定で4000万円を計上した。土地改良事業は6億6600万円を計上し、圃場、農道、かんがい排水の整備を行う。
「脱炭素で循環型、自然共生者期の実現」では、脱炭素先行地域の取り組みの推進に19億4900万円を計上し、LRT沿線の公共・民間施設等への太陽光発電・蓄電池・再エネ設備の導入、公有地へのオフサイト太陽光発電の導入、市有施設への充放電機の導入などを行う。市有施設へのLED照明導入や再エネ設備導入などには、21億円を計上。上下水道事業の脱炭素化は、局庁舎の太陽光発電導入、施設のLED化、小水力発電・太陽光発電の導入で3億4900万円を計上する。
効率的・効果的なごみ処理体制の構築には2億6000万円を計上し、クリーンパーク茂原の再整備、最終処分場整備に向けた建設候補地抽出などを行う。新ごみ焼却施設はクリーンパーク茂原の同一敷地内に整備し、29年度にも着工して33年度の稼働開始を目指す。
魅力的で持続可能な都市空間の形成では、JR宇都宮駅西口周辺地区に26億4900万円を計上し、整備に向けた調査や駅前広場の測量・施設設計に着手する。宇都宮駅西口周辺地区整備基本計画によると、駅西口中央に交流広場やLRT(ライトライン)停留場、南側にバス空間、北側にタクシープールや一般車乗車場を配置し、駅・LRT停留場・各街区等を連絡する2階通路となるペデストリアンデッキを整備する。
身近な生活圏の公園新設は、土地区画整理事業地内等での公園整備に3億3900万円を計上する。市営住宅は、宝木市営住宅団地や瑞穂野市営住宅団地の再整備に5億2200万円を計上している。今市浄水場は、沈殿池やろ過池等の更新、太陽光発電設備の整備で40億9900万円を計上した。
土地区画整理事業は、宇都宮大学東南部第2地区に34億2700万円、簗瀬地区に1億4400万円、宇都宮鶴田第2地区に13億7100万円、岡本駅西地区に57億4500万円、小幡・清住地区に57億4500万円を計上する。宇都宮東部土地区画整理事業は、未整備地区の整備手法の検討や事業化に向けた取り組みで2200万円を計上している。
下河原水再生センターは、川田水再生センターとの部分機能統合を図るため、再構築事業に76億2300万円を計上した。送水ポンプ施設の整備(第1期)や雨水処理施設(第2期)の整備、川田水再生センターでも汚泥処理施設(機械濃縮設備など)の増設などを行う。川田水再生センターでは強靭化事業に37億3700万円を計上し、管理棟や沈砂池ポンプ棟等の建て替え、汚水処理施設の耐震補強を行う。
「誰もが快適に移動できる総合的な交通ネットワークの実現」では、LRT(ライトライン)のJR宇都宮駅西側整備で、路線測量や軌道の詳細設計などに22億9400万円を計上した。(仮称)大谷スマートICには、4億7300万円を計上。スマートIC整備事業は事業期間を29年度以降に延長し、下り線は25年度に市が工事着手する予定となっている。
道路は、幹線道路の整備に84億6400万円、交通安全対策・端末道路整備・無電柱化に12億7400万円、観光拠点等の道路整備に10億0600万円、自転車走行空間の整備に2億8200万円を計上した。
持続可能な公共的サービスの提供体制の確立では、地域コミュニティセンターの長寿命化改修工事に5億0700万円を計上した。市役所本庁舎の長寿命化改修に向けた調査では、3200万円が計上されている。