WTOで栃木新校設計 建築事業 135件109億円を受託(県建築営繕課)
[2025/5/13 栃木版]
県建築営繕課は、2025年度の建築事業計画概要明らかにした。それによると、各部局から設計・監理などの業務委託で66件15億5951万円、工事で69件93億9204万円の、計135件109億5155万円を受託する。主な設計は、栃木農業・工業・商業新校整備事業の基本・実施設計で県の設計では初となる特定調達契約案件(WTO)を適用するほか、大田原警察署庁舎新築工事の基本・実施設計などを策定。工事は鹿沼南高・鹿沼商工高新校農業科・工業科実習棟新築工事や、グリーンスタジアムメインスタンド防水ほか改修工事などを実施する。
本年度は設計が59件14億8370万円、工事監理が7件7581万円の計66件15億5951万円で、24年度の70件6億7500万円から件数は若干減少したものの、金額が高校再編の影響もあり約2.31倍増加した。一方工事は、前年度の45件86億3700万円から件数24件は増加し、金額は約1.08倍で微増となった。
主な業務委託を見ると、栃木農業・工業・商業新校整備事業は本年度から基本・実施設計に着手する。栃木農業高校と栃木工業高校、栃木商業高校は再編で未来共創型専門高校となり、新校は栃木商業高校の校地を主に使用することから、校地に校舎等を効率よく配置するため実習棟の整備と併せて校舎や体育館を建て替える。
校地面積は約3万6000平方mで、ここにRC造4階建て延べ8629平方mの本館棟、RC造2階建て延べ4786平方mの実習棟、RC造一部S造平屋2393平方mの講堂兼体育館などを設ける。
基本・実施設計は25年度から27年度までの3カ年で策定し、事業費に5億3900万円を予算化した。発注金額が2億7000万円を超えることから、発注にあたっては県の設計業務委託で初めてとなる特定調達契約案件(WTO)とする予定で、公募型プロポーザルを実施する。
大田原警察署庁舎は建物・設備の老朽化や狭あい化から移転改築するため、基本・実施設計を策定する。移転先は大田原市若草1丁目の民有地で、面積は約7384平方m。ここに整備する新庁舎はRC造4階建て、延べ3098平方mを想定している。本年度は事業費2億2700万円を予算化しており、総合評価方式の指名競争入札を6月11日に開札する。
栃木特別支援学校と那須特別支援学校は、寄宿舎を解体した跡地に整備する食堂棟の設計を策定する。食堂棟の規模は、栃木特別支援学校がS造平屋約646平方m、那須特別支援学校がS造平屋約659平方mを想定しており、いずれも6月11日に指名競争入札で発注する。事業費は栃木に4300万円、那須に6100万円を配分している。
また工事については、鹿沼南高校と鹿沼商工高校を未来共創型専門高校へ再編するのに伴い、農業科・工業科の実習棟を新築する。基本・実施設計は横松建築設計事務所(宇都宮市)で本年度までの2カ年で策定しており、建物はS造2階建て延べ約2800平方mの規模を想定する。
本年度は、実習棟整備費に27年度までの3カ年20億1789万円の継続費を設定し、このほか委託料なども含めて、20億5200万円の事業を計上している。工事は建築を第3四半期、電気設備と機械設備を第4四半期にいずれも一般競争入札で発注し、実質的には28年度当初から着工する。
グリーンスタジアムでは、顧客満足度を高めるためメインスタンドの改修などを実施する。メインスタンドの座席の改修やVIPルーム等の改修はスポーツ振興課から発注し、建築営繕課からは長寿命化に向けたメインスタンドの躯体の改修や防水改修を発注する。
メインスタンドはRC造3階地下1階建て、延べ約6400平方mの規模で、設計は山崎企画設計(宇都宮市)が担当した。事業費は2億7100万円を確保しており、工事はこのほど一般競争入札で中村土建(宇都宮市)が落札している。
農業大学校では、長寿命化で受変電設備などを更新する。設計は24年度に酒井建築設計事務所(宇都宮市)で策定しており、工事は第1四半期に一般競争入札で発注して2カ年で施工する。このほか、24年度に引き続き県営若草住宅新1号棟新築工事やとちぎ健康の森空調改修工事、大平少年自然の家解体工事などの工事を継続する。