災害危険区域に指定 下境・宮原地区の集団移転で(那須烏山市)

[2025/5/15 栃木版]

 那須烏山市は、下境地区や宮原地区で計画している防災集団移転に関連し、12日に烏山公民館で、2地区の住民に向けた災害危険区域の説明会を開催した。それによると、これら2地区では6月2日に災害危険区域に指定され、居住を伴う建築物の整備が制限される。災害危険区域の指定は防災集団移転促進事業に必要となるもので、市は指定後に国土交通大臣の同意を得るための申請を行い、同意を得てから事業に着手する。

 災害危険区域は、洪水等の自然災害から市民の生命と生活を守るために、建築基準法の規定で居住の用に供する建築物の建築を制限する区域となる。区域内では、指定日以降に▽住宅、共同住宅、その他居住室を有する建築物▽ホテル、旅館等の宿泊施設▽病院、診療所▽児童福祉施設等(入所する寝室があるもの)-などが建築できなくなる。

 ただし、宅地をかさ上げすることや、高基礎で家屋を高くすることなどで住宅等が整備できるようになり、居室を基準水位以上(下境地区がT・P・61.9m、宮原地区がT・P・72.3m)とすることで、市長の認定を得て建築することは可能となる。

 なお、現在の住宅等や施設はそのまま利用することができ、建築物の修繕や模様替えも市長の認定を受けることなく実施することは可能となっている。

 那須烏山市は、19年に発生した東日本台風で被災したことから、下境地区や宮原地区で防災集団移転に向けて検討や地元との協議を進めている。移転先は、下境地区はすでに施設を解体した旧境小学校跡地とその周辺、宮原地区は宮原公民館北西の民有地を候補地に選定している。

 市の移転方針で、下境地区は2段階に分けて移転を行い、早ければ旧境小学校跡地を26・27年度に市が造成を行い、住民が住宅を整備して移転を行う。宮原地区も早ければ26・27年度に市が用地を取得した後に、造成事業に着手する。

 造成事業については土地の造成のほか、区画道路や上水道の整備も実施して、区画整備を実施する。下水処理は、浄化槽の設置で対応していく。住民の移転先での住宅整備は、補償費を活用して実施する。

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