防潮堤復旧がピークへ 29~31年度に事業費291億円 現時点で発注率35%(石巻市)

[2017/1/11 宮城版]
 石巻市は海岸保全施設災害復旧事業で、18漁港海岸の防潮堤復旧を計画しており、現時点の発注率が事業費ベースで35%となっている。工事は12漁港海岸で着手済み、6漁港海岸が未着手の状況。発注見通しでは、年度内に防潮堤復旧工事9件の制限付き一般競争入札を予定しているが、まだ公告に至っていない。震災復興計画の実施計画では、同事業費に29~31年度の3年間で291億6998億円を試算しており、今後に工事がピークを迎えることになりそうだ。

 防潮堤復旧の工事が未着手となっているのは▽名振▽船越▽水浜・分浜▽小淵▽小網倉▽折ノ浜──の6漁港海岸。発注見通しでは、いずれも第4四半期に工事入札する予定になっている。

 すでに工事着手したのは▽長面▽北上▽荒▽小島▽明神▽谷川▽十八成浜▽給分▽大原▽池ノ浜▽侍浜▽小竹──の12漁港海岸。長面は工区分けして工事発注しており、2~4工区の3件を年度内に入札公告する見通し。小竹は部分的に原形復旧済みで、これ以上手を付ける予定がない。それ以外は全て完成に至っていない。

 実施計画では、年度ごとの事業費として、29年度に69億8000万円、30年度に101億6000万円、31年度に120億2998万円を見込んでいる。全体完成は32年度の予定だが、担当課の水産課では、可能なら余裕を持って1年前倒しで終わらせたいとしている。

新設区間は工事 2件年度内発注

 石巻市は海岸保全施設整備事業で、8漁港海岸に防潮堤などを新設する。すでに4漁港海岸で工事着手した。年度内には名振と十八成の工事2件を発注する意向だ。小淵、折ノ浜、船越の3カ所は29年度以降に工事発注する。全体事業費は当初段階で44億円を試算しているが、実際にはこれを下回る見込み。

 工事が未着手となっている漁港海岸の整備延長は、名振が200m、小淵が50m、折ノ浜が150m、船越が水門のみで6m。名振は胸壁部分が180mで、うち100m区間の工事を3月に契約する予定で発注準備を進めている。残りは29年度以降に発注する。

 すでに工事着手した漁港海岸の全体整備延長は、荒が水門のみで9.5m、十八成が580m、大原が50m、給分が陸閘のみで13.5m。十八成と大原は一部が未着手のため、別途工事発注を予定している。

 実施計画では、同事業費として29年度に3億0800万円、30年度に5億円、31年度に1億9200万円を充てている。32年度の全体完成を目指す。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.