県美術館リニューアル 基本方針策定を委託 改修規模、事業費など検討(県教育庁)

[2017/6/14 宮城版]
 老朽化している県美術館(仙台市青葉区川内元支倉34─1)のリニューアルに関し、県教育庁はリニューアル基本方針の策定に向けて調査業務を委託する。既存施設の調査を踏まえ、改修箇所の判断や必要面積の検討、事業費の試算などを委託するもの。建設コンサルタントらを対象に、7月11日まで企画提案を受け付ける。県は32年度から設計など事業に着手し、36年度中のリニューアルオープンを目指す。

 県教育庁が公募を始めたのは「宮城県美術館施設整備事業におけるリニューアル基本方針策定に係る調査業務」。公募型プロポーザルによって、7月下旬までに事業者1者を特定する。履行期間は30年3月23日まで。予定価格は1986万8760円(税込)。

 プロポーザルの参加対象は、単体企業またはJV。条件として単体企業およびJV代表者は、過去10年以内に国や地方公共団体などが設置している美術館・博物館の新築、改築、増築、改修に関する設計、基本計画などの策定実績があることが必要。

 企画提案書および参加申込書は7月11日まで、持参または郵送で受け付ける。書類を受け付け後、応募者には同19日にプレゼンテーションを実施してもらう。それを経て、同21日に選考結果を通知する。応募者が多数いた場合は同19日に書面審査を実施し、上位6者に絞り込む。その後、同26日にプレゼンテーションを実施してもらう。選考結果の通知は同28日。特定した事業者とは7月下旬に契約を結ぶ。

 県美術館は昭和56年11月に完成したRC造(一部S造)地下1階地上2階建て延べ1万2130平方m。敷地内には別館として、本県出身の彫刻家・佐藤忠良氏の作品を展示する佐藤忠良記念館(RC造地下1階地上1階建て延べ2990平方m)が併設されている。

 老朽化によって屋根や外壁の防水機能が低下し、配管も腐食している。バリアフリーや外国人利用者への対応が遅れ、時代のニーズに合わなくなっている。収蔵スペースも全国平均より狭い。

 県は美術館のリニューアルに向け、27年度から有識者による基本構想策定に係る懇話会を開催してきた。基本構想はことし3月に策定。検討の結果、増築を含めて既存施設を改修する方針が決まっている。

 県は今回の調査業務で▽既存施設を調査し、劣化度を評価した上で庚申・改修の必要性を判断▽各施設の必要規模や機能を考慮してゾーニングを検討し、スケジュール、概算事業費、リニューアル後のランニングコストなどを提案▽リニューアル基本方針策定委員会での意見を取りまとめ、基本方針の原案を作成──などを委託する。

 県はリニューアル基本構想の中で、本年度中にリニューアル基本方針を策定することにしている。30年度からは公共事業の大規模事業評価の審議に諮り、承認を得た後、32年度から2カ年程度で基本・実施設計をまとめる。改修工事は34年度に着手し、35年度中に完成させる。リニューアルオープンは36年度を見込んでいる。

 なお、県教育庁は6月19日に現地説明会を実施することにしている。

既存施設をリニューアルする宮城県美術館

既存施設をリニューアルする宮城県美術館

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