プール使い露天風呂 学校跡地に特養ホーム設置を提案(仮・社会福祉法人春葉会)

[2017/10/13 千葉版]
 たちばなベスト(静岡県沼津市)の鈴木孝政社長は11日、弊社千葉総局を訪れ、芝山町に計画中の「特別養護老人ホームを中核としたプロジェクト」の早期実現について熱く話した。公共性や永続性、地域住民への還元をコンセプトとし、これまで培ってきた施設運営のノウハウを生かした施設とする考えだ。既設のプールは露天風呂を備えた浴室として改修する。

 このプロジェクトは、芝山町が一般公募していた「旧東小学校の利活用にかかわるプロポーザル」で優先交渉権者に選ばれている。同町や県と協議しながら、特別養護老人ホームの許認可と運営主体となる社会福祉法人・春葉会(仮称)の設立準備を進める。今後、これらの手続きを早急に進め、県に対しての補助申請を行う。現段階では31年度の事業化を予定しているが、鈴木社長は「できるだけ早く事業化できるよう臨みたい」と話す。

 実施主体は、たちばなベストが中心となって設立予定の春葉会(仮称)。同社は総合福祉施設「おもとの郷・御成台」(千葉市若葉区)や介護付き有料老人ホーム「おもとの郷・横浜栄」(横浜市栄区)など複数の高齢者福祉施設を運営している。プロポーザルでは、長年の施設運営の実績を生かし、施設利用者や介護職員へのアンケート調査を反映させながら、これまで鈴木社長が考えてきた理想を追求したという。

 対象となる旧東小学校の施設は、大里地区の敷地約1.2㏊に立地する校舎やプールなどとなる。体育館については、町が継続して利用する。校舎はRC造3階延べ1917平方mで、平成10年度に耐震改修を終えている。

 プロポーザルの提案によると、校舎を特別養護老人ホームとして利用するのは難しいため、特別養護老人ホームの入所部分は校庭の敷地を利用して、木造平屋(準耐火構造)の定員40人規模で新築する。床や天井にマイナス電位溶剤を塗って消臭する「電子移動消臭」やトイレ・洗面所にプレミアム撥水加工を採用する。校舎部分には、デイサービス施設と管理部門の事務室のほか、地域交流ホームを設置する。

 施設の目玉となる浴室は、プール本体を改修して、車いすのまま入浴できる露天風呂や男女別の露天風呂、畳敷きの入浴室、脱衣所などを設置するほか、滝や池など景観にも配慮する。すでに、ノーリツ(神戸市中央区)とランニングコストを抑えた設備の導入を計画している。入所者やデイサービス利用者のほか、体育館の利用者など一般に開放することも検討中。

 アンケート調査で、食事の内容や楽しく過ごせる施設への要望が多かったことから、食事はバイキング方式で提供する。バンダイナムコグループの「かいかや」(横浜市中区)と連携して、ゲーム機器を使った機能回復訓練を行う。利用者が楽しめる施設、また行きたくなる施設とするため、電動マージャン卓やカラオケ、マッサージ器などの設備を導入する。敷地内に園路や池を整備し、電動カートで散策できるようにすることも計画中だ。

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