学校活用のプロポ公告 鳴瀬未来中と鳴瀬桜華小 移転後も有効利用へ(東松島市)

[2018/1/18 宮城版]

民間活用の提案を求める鳴瀬未来中学校

民間活用の提案を求める鳴瀬未来中学校

 東松島市は、小野地区にある鳴瀬未来中学校と鳴瀬桜華小学校の既存施設を移転後も有効活用するため、民間事業者から利活用に関する提案を求める。優れた提案を選定するため、16日付で簡易公募型プロポーザルを公告した。活用を希望する事業者を対象に、23~31日に参加申込書、2月7~14日に企画提案書を受け付け、審査を経て3月2日に結果を通知する。今月31日には現地見学を行う。

 両校はそれぞれ、大震災で被災した学校が、被害を免れた学校と統合して誕生した。2校とも復興まちづくり計画に基づいて移転新築が決定。既存の校舎は、災害時に住民の避難場所となったほか、長年にわたり地域の集いの場として親しまれてきたため、地元からは解体せずに保存活用するよう要望されている。

 移転後の学校施設は、人材育成や地域振興、地域連携を主体とした活動に役立てる。そのため、プロポで民間事業者を募り、優先交渉権者を選定する。プロポの事業名は「東松島市小野地区の学校施設の利活用事業」。市は両校の一体的な活用提案を望んでいるが、どちらか1校だけの活用も受け付ける。

 鳴瀬未来中は、旧鳴瀬第一中と旧鳴瀬第二中が統合し、25年4月に誕生した学校で、今月に移転新築が完了済み。今後に利活用するのは、小野字裏丁1に位置する旧鳴瀬第一中の学校施設。敷地面積は1万4763平方m。建物は校舎がRC造3階建て延べ2771平方m、体育館がSRC造2階建て延べ1065平方m、武道館が木造平屋450平方m、プールが25m×6コースの規模。

 鳴瀬桜華小は、大震災後に浜市小と小野小が統合して誕生した。これから本格的に移転新築を進め、33年1月の新学校の供用開始を目指す。現在は小野字裏丁39にある旧小野小の学校施設を利用中。

 民間に貸し出すのは旧小野小の施設で、校舎がRC造3階建て延べ2841平方m、体育館がS造2階建て延べ834平方mの規模。敷地面積は7325平方m。

 両校とも現状による貸し付けを基本とするが、提案内容によっては市から補助金の支出もあり得る。賃借期間は鳴瀬未来中が31年4月1日~51年3月31日、鳴瀬桜華小が33年4月1日~51年3月31日。貸付料は、39年3月31日分まで無償とし、それ以降は土地が固定資産税評価額相当額(時価)×4%、建物が評価額(時価)×6.3%で計算した額を年額とする。

 事業実施上の主な条件は▽人材育成、地域振興、地域連携に資する事業とする▽地元雇用に努める▽現状維持に必要な補修・修繕費は借主の負担とする▽権利の譲渡や転売をしない▽災害時に避難活動に協力する──ことなど。

 プロポは今後、23~31日に質問を受け付け、2月5日に回答するとともに、参加資格審査の結果を通知する。企画提案書のプレゼンと審査は2月15~22日に行う。問い合わせは復興政策課復興政策班(TEL0225-82-1111、内線1237)まで。

 なお、市は以前に、津波被害を受けた旧野蒜小学校と旧浜市小学校の利活用を民間事業者から募った。旧野蒜小は貴凛庁(東京都千代田区)が防災体験型宿泊施設に活用することとなり、改修工事を進めている。旧浜市小は東松島ファーム(東松島市)がLED植物工場に活用する方向で、改修に必要な補助交付決定を待っている。

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