担い手確保へ提案・要望 県立工業高校と意見交換会(CCIちば)

[2018/10/19 千葉版]
 県魅力ある建設事業推進協議会(CCIちば)は、後継者育成事業の一環として、同会を構成する建設関連団体と県立工業系高校教員の意見交換会を18日、千葉市内で開催した。当日は各団体の代表者らが、いまの工業高校生の声などを、教員を通じて知る一方、各団体が展開している担い手確保に向けた取り組みを紹介。一人でも多くの高校生が地元で就職してくれるよう意見を交換するなどした。

 意見交換に先立つ形であいさつに立った同協議会の事務局を務める県土整備部建設・不動産業課の横田彰洋副課長は、同協議会の設立意義や地域建設業の役割を説明した上で、担い手の確保が喫緊の課題になっているとし、今回の意見交換も重要な取り組みだと述べ、それぞれの立場から意見や提案が活発にされることで今後より良い事業の展開ができればと期待を込めた。

 意見交換ではまず、出席した▽県立京葉工業高校▽県立千葉工業高校▽県立市川工業高校(全日制・定時制)▽県立東総工業高校──の教員が、各校の生徒の就職または進学の割合などを、具体的な数字を挙げるなどしながら説明した。

 学校側からは、建設関係に進ませるのは難しいが、同協議会の取り組みなどで少しずつでも生徒が興味を持つようになってきたこと、3年生の初めに方向性を決めなければならないが、どんな仕事があるか分からず、先輩の就職先や見聞きした会社やどうしても進みがちになるいという傾向などが示されるなどした。

 学校側からはさらに、通勤が1時間以内など、自宅から通いやすい職場を優先する傾向があることや、求人票で給料のほか休みが取れるかなどを重視する生徒が多いこと、パンフレットなど企業の紹介資料が立派なものに惹かれがちであること、さらに保護者の意見が子供の進路に大きく影響している現状などが示された。

 一方で業界側からは、それぞれの分野に興味を持ってもらおうと、出前授業を開催するなど、魅力のPRに向けた取り組み内容を説明。意見交換では、建設業、さらに工業高校の従前の良くないイメージを引きずっている保護者が、生徒に入学・入職を勧めない傾向があり、マスメディアなどを使った、保護者を含めたイメージの払拭が必要だとする声や、建設業への入職者が将来の自分を想像でき、やりがいが持てるような取り組みを企業側に求める声もあった。

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