「本気度高い意欲的提案」 西千葉キャンパス跡活用  1次選定5者で対話会(東京大学)

[2018/12/07 千葉版]

活用予定地の現況

活用予定地の現況

 国立大学法人東京大学は、千葉市稲毛区の千葉大学西千葉キャンパスにも隣接する、同大学の生産技術研究所附属千葉実験所(東京大学西千葉キャンパス)の跡地活用について、1次募集による対話事業者として選定した▽大和ハウスグループ▽パナソニックホームズ▽ZOZO▽イオンタウン▽野村不動産──の5者(グループ含む)と第1回の対話会を開いた。対話会では各者がプレゼンテーションを実施。第2回の対話会は今月中にも開かれる見通しで、これらの提案や意見は2次募集時の参考資料となる。

 第1回の対話会は、論点の共有やすりあわせなどが目的。第2回では、論点に基づく意見交換をねらいとする。

 第1回対話会では、大和ハウスグループからは大和ハウス工業と大和リース、パナソニックホームズはパナソニックホームズとパナソニック、ZOZOはZOZOとマイキー、イオンタウンはイオンタウンとイオン、協和コンサルタンツ、野村不動産は野村不動産と山下設計が参加している。

 論点として当日は▽企画提案の事業コンセプトや考え方▽土地利用ゾーニング(特に都市機能の誘導について)▽都市基盤▽事業の実現性について▽その他(対話事業者が論点としたい事項など)──を設定。対話の結果、各者とも本気度が高く、西千葉の立地特性を踏まえ、自社の実績やノウハウの強みを生かして意欲的な提案をしたとした。

 一方で現時点では、事業主体として運営に関与するなど積極的な姿勢は示しているものの、具体の運営体制や管理手法、事業収支などについては今後の検討事項という段階で今後、土地の処分時期など事業スケジュールや、処分価格・都市計画の内容など事業の前提条件を見極めた上で、検討を深まる見通しだとした。

 土地利用ゾーニングについては、商業施設や住宅など収益の柱となる事業については各者とも詳細に検討。規模や施設配置についても今後の対話などを踏まえ、柔軟に変更し得る姿勢を見せていたとした。一方でコンセプトの柱となる公共性の高い事業については、収益の柱となる事業とのバランスで検討する対話事業者が多いとした。

 このほか、緑地・公園や道路は、各者とも自前での整備を想定しているものの、維持管理手法については、エリアマネジメントなどによる民間管理を想定しつつ、公共性の高い公園・道路などは千葉市に移管することを想定しているとした。

 これらを踏まえて第2回の対話会では▽都市基盤の維持管理方法▽千葉大学との連携▽規制緩和のあり方とその根拠──を論点にするとしている。

 29年4月に柏キャンパスへの移転が完了したことに伴う同大学西千葉キャンパスの跡地利用の検討に向けて同大学は、利用計画を策定することを目的に、同大学や千葉大学の学識経験者だけでなく、千葉市や地元自治会らで構成する「東京大学西千葉キャンパス跡地利用協議会」を設置。土地利用や都市基盤、まちづくりのルール、スケジュールの検討のため、今年3月に初会合を開いた。

 敷地条件をみると、JR西千葉駅にも至近な第一種住居地域(3,000平方mを超える店舗や事務所、ホテルは立地不可)かつ第一種高度地区(20m)であるものの、約9・8haと駅近の希少な大規模敷地でまとまった緑があり、千葉市や県も公共用地としての需要はないとしている。

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