善川堤防3kmをかさ上げ 善川右岸/築堤設計の公告(北上川下流)

[2019/6/12 宮城版]
 国土交通省北上川下流河川事務所は、善川と吉田川、竹林川の3河川が合流する地点(大和町)から、善川の上流に向かって延長3km区間で堤防をかさ上げする。このうち右岸側の築堤検討設計業務を委託するため、11日付で一般競争入札を公告した。21日まで参加申請書、7月16日まで入札を受け付け、翌17日に開札する。左岸は別事業で遊水地の整備に伴い築堤する。
 3河川の合流地点から、善川に架かる県道大衡駒場線の古舘橋までに至る延長3km区間は、もともと県が管理していた。既存堤防は暫定形で、計画高にまで仕上がっていない。県から国の直轄管理区間に移行したため、計画高までの整備に向け、右岸側の築堤検討設計業務を初めて委託する。
 同業務は件名が「善川河道・築堤検討業務」で、測量を行うとともに、河道と築堤の検討設計をまとめる。測量範囲は3河川の合流地点から上流の2.3km区間。検討設計では、全体の法線形、堤防形状、基本断面形状を考える。業務の履行期間は2020年2月28日まで。
 入札の参加資格は、県内に事業所を置き、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けている単体企業、または同業務か測量の資格認定を受けている設計JV。
 今回の設計対象となっている善川右岸の築堤は、一般河川改修事業で行う。左岸は、吉田川の床上浸水対策特別緊急事業で善川遊水地(周囲堤)を整備することになっている。
 

遊水地の施工計画検討

 同事務所は、善川遊水地の整備に当たり、施工計画等検討業務を委託する。11日付で同業務の一般競争入札を公告しており、21日まで参加申請書、7月16日まで入札を受け付け、翌17日に開札する。
 善川遊水地は、2015年9月の関東・東北豪雨で吉田川流域に浸水被害が起きたため、2割勾配の周囲堤を築いて整備し、水を溜められるようにする。面積は56haで、貯水容量が200万t。
 周囲堤は延長が約4km、天端幅が4m、底幅が約30m、水田からの高さが最大6.3mを計画。築堤の土量は23万2000立方mを見込む。吉田川の床上浸水対策特別緊急事業で整備する。
 今回の施工計画検討業務は、周囲堤の整備に伴って大和町でプレキャストボックス(以下、BOX)の移設、大衡村で村道2路線の付け替えが必要になるため、通行を確保しながらの施工方法を考える。履行期間は2020年2月28日まで。
 周囲堤の整備で支障となる既存のBOXは、2m×3.5mのサイズで、延長が約12m。善川に架かる町道橋(大橋)の近くで、堤防の上と下の水田に行き来できるよう設けられている。周囲堤の影響が及ばない場所に移設する。
 付け替えが必要な村道は、竹の内蒜袋線と海老沢持足線で、T字路になって接続している。周囲堤の上で平面交差できるよう、両線ともほぼ同じ位置で付け替える。対象延長は計1kmを予定している。
 施工計画検討業務の入札は、県内に事業所を置き、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けている単体企業か設計JVが参加できる。
 なお、村道の付け替えに必要な道路と平面交差点の詳細設計業務は、昨年度にセントラルコンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)に委託した。

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