短期対策、改善し継続へ 渋滞解消へ移動性向上PJ(国交省千葉国道)

[2019/7/27 千葉版]
 国土交通省千葉国道事務所が事務局を務め、交通渋滞の解消などで移動性の向上を検討する、2019年度第1回の「県移動性向上プロジェクト委員会」(委員長・赤羽弘和千葉工業大学創造工学部教授)が26日、千葉市稲毛区の同事務所で開かれた。議事では今後の対策の進め方として、引き続き短期的な効果発現が見込める、右左折レーンの延伸などピンポイントな対策を施す方針が示されたが、単純な延伸のみでは効果が乏しかった調査結果もあり、信号長の調整などの効果を指摘する意見も出された。

 当日は国交省だけでなく、県や千葉市、県警本部、東日本高速道路(NEXCO東日本)のほか、民間団体からも含め委員ら17人が出席し、県内265カ所に設定していた渋滞箇所の今後の対策などについて協議した。

 議事ではまず、事務局から前回の委員会(19年3月)での指摘事項とその対応が説明されたのに続き、対策実施箇所の効果確認、外環開通による影響の確認、今後の渋滞対策の進め方などについて説明があった。

 このうち指摘事項について、現在の主要渋滞箇所が渋滞していると判断する評価の区間長の4割が200m未満と短く、その解除基準を満たさない割合が高くなることから、青信号1回で流れる車列長を基準に少なくとも200m以上とすることが妥当であることが説明された。

 同様に指摘事項だった国道16号の勝田台団地入口交差点では、右折レーンを延伸して改善が見られたものの、評価車列長を見直す方針なことから、あらためてモニタリングするとした。

 18年12月末時点で主要渋滞箇所としたのは279カ所で、事業中のものが75カ所、対策終了(一部含む)が27カ所、検討中なのが177カ所となっており、今回の委員会では、新規完了箇所3カ所について検証結果が公表された。

 対象となった3カ所は▽国道296号岩山交差点▽国道464号草深交差点▽主要地方道浜野四街道長沼線──で、それぞれハード面で右左折レーンの新設・延伸などが図られ、渋滞が改善された方面もあったものの、いずれも渋滞を示す3つの指標の全てをクリアできた箇所がなかったことが明かされた。委員からは単純にレーンを延伸しても、解消が難しいことが指摘された。

 さらに先に対策が施された、国道357号稲毛浅間神社前交差点など6カ所でも、渋滞の3指標のいずれかに該当するなど、渋滞が解消されたという箇所がなく、今後は評価区間長を見直した上でモニタリングを再度実施するとした。

 加えて、先の委員会で3指標をクリアするなどし、渋滞箇所から除外された14カ所の調査結果も披露され、このうち▽国道128号経田交差点▽国道357号運輸支局入口交差点▽国道51号(仮称)香西交差点──の3カ所で指標を下回ったとしている。

 一方で外環の開通効果については、周辺25カ所の交差点で影響を確認。平日昼間12時間旅行速度が毎時12kmから同15kmに、平日ピーク時旅行速度の平均値も毎時約9kmから約12kmに向上したとしている。

 直轄国道の主要渋滞箇所84カ所をみると、今回の委員会までに8カ所が除外され、対策実施中が19カ所、要対策箇所が57カ所(対策後も3指標に該当する10カ所と未実施の47カ所の合計)となっている。

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