[2020/3/7　千葉版]
　県下37市の2020年度予算案が、6日の四街道市による公表で出そろった。一般会計の総額の合計は、前年度比2・8％増となる2兆2,774億9,900万円(本紙調べ、表参照)。一方で同会計に占める普通建設事業費の合計は、2,321億7,340万円で、同0・7％の減となり、いずれもほぼ前年度並みとなった。一般会計は消費税増税や扶助費がふくらんだことで、前年度比で増額している市が目立つ。

　一般会計の総額が前年度より増額しているのは37市中30市で、8割を超えた。普通建設事業費については、増額が37市中19市で、減額(18市)とほぼ拮抗している。

　一般会計が、前年度比で伸び率が37市中最も高かったのが、旭市の26・1％で、総額379億4,000万円を計上。300億円を超えた前年度に続き、過去最大規模を更新。銚子市、匝瑳市とともに進めている東総地区広域市町村圏事務組合により整備が本格化するごみ処理施設に対する負担金のほか、同市庁舎整備の事業費を計上したのが主な要因。これらに伴い、普通建設事業費も前年度比61・8％増の70億9,753万円と鋭い伸びを見せた。

　ごみ処理施設新設を理由に、銚子市の一般会計予算案も総額276億2,800万円と前年度比15・6％増、匝瑳市も総額175億2,800万円の13・2％増と、いずれも2ケタ増で大きく伸ばす。一方で匝瑳市は、パークゴルフ場の整備完了などを受けて、普通建設事業費が同28・7％減の8億7,273万円で大幅なダウンとなった。

　一般会計が2ケタ増と大きく伸びた市について見ると、旭市に次いで流山市が前年度比16・3％増の総額698億3,500万円とする。大畔地区で小学校の建設が本格化するほか、中学校も並行して工事に着手。このほか小学校2校の新設を計画するなど建設ラッシュで、普通建設事業費も135億円超の50・9％増と1・5倍の伸びを見せる。一般会計の2ケタ増は、鴨川市も同11・5％増の182億9,455万円とする。

　普通建設事業費についてみると、前年度比で最も伸びが大きかったのは我孫子市の89・2％。新クリーンセンターの着工や、昨秋の台風で被災した市民体育館の大規模改修費で、2倍近くに伸びることとなった。

　これらのほかで、普通建設事業費の伸びが目立つのは佐倉市。民間保育園の施設整備費や小学校施設改築・改造事業が増額になっているほか、新町地区の「佐倉図書館等新町活性化複合施設」の着工で11億円超増額となっているのが大きく、前年度比49・1％増の45億3,645万円を計上しているのが目立っている。

　一方で普通建設事業費の減少幅が大きかったのは匝瑳市のほか、マイナス54・1％の大網白里市、マイナス26・8％の船橋市、マイナス37・1％のいすみ市など。このうち大網白里市の減額は、子育て交流センター整備事業の終了が主因となるなどしている。