県20年度の治山事業 国庫治山63カ所に21億円 台風19号 大畑で谷止、栃目木沢は調査

[2020/4/18 栃木版]
 県森林整備課は、2020年度に実施する主な治山事業箇所を公表した。森林整備を含む国庫補助と交付金事業は、日光市など10市2町の63カ所を対象に21億2936万円。県単事業は4市1町の24カ所で1億4230万円となった。新規は昨年の台風19号被害の復旧を図るため、大畑(宇都宮市)や湯沢(矢板市)など20カ所に予算を配分したほか、防災・減災、国土強靭化対策による特別枠6カ所で白石川(日光市)や大道沢(大田原市)の進ちょくを図る。長寿命化対策では、ウスン沢(矢板市)の流路工を修繕する。

 国庫対象のうち新規は、台風19号被害に伴う復旧や予防治山で、事業費ベースで1500万円以上に充当、緊急性の高い20カ所を予算化した。大畑は2渓流の対策うち大きな沢に谷止4基、小さな沢には谷止1基と土留工3基を計画。湯沢では、山腹崩壊に伴う緑化工0.09haを施工する。上期に設計を委託、9月以降の工事発注を見込む。

 特別枠の白石川は、平成27年関東・東北豪雨で山腹崩壊した箇所で、これまでに法枠や基盤整備のための緑化など崩壊箇所の対策に加え、4基の谷止工のうち1基の施工を完了。今年度は2基目の工事を発注する見通し。3カ年の防災減災、国土強靭化が最終年度となるため、残る下流側2基の谷止工は通常砂防で対応するとしている。

 県単事業は単年度施工を主体に24カ所を予算化した。このうち台風19号関連は熊の鷹沢(宇都宮市)、栃目木沢(栃木市)、長谷寺(鹿沼市)、円光寺(日光市)の4カ所。栃目木沢は21年度の国庫充当のための計画調査を実施するほか、残る3カ所は事業費1500万円未満のため県単で復旧対策を進めていく。栃目木沢は、山腹崩壊による土砂流出を防止するため、谷止工と山腹緑化を組み合わせた工法を検討していく見通し。

 キドガサワ(日光市)は、長寿命化対策に伴う流路工の修繕を行う。浸食を防止し渓床を保全するため、流路工底部コンクリートの置換えを予定しているとした。

 主な事業箇所は次の通り。(▼新規)

 《国庫》
【復旧治山】
▽大戸入(佐野市)=谷止工
▽滝ノ沢(日光市)=谷止工
▼大畑(宇都宮市)=谷止工

 〔特別枠〕
▽白石川(日光市)=谷止工
▽大道沢(大田原市)=流路工
【保安林緊急改良】
▽黄金沢(鹿沼市)=森林整備
【保安林改良】
▽三河(日光市)=森林整備
【予防治山】
▽信濃沢(鹿沼市)=谷止工
▽合の内沢(日光市)=谷止工
▼湯沢(矢板市)=山腹工

 《県単》
【県単治山】
▼熊の鷹沢(宇都宮市)=流路工修繕
▼栃目木沢(栃木市)=計画調査
▼長谷寺(鹿沼市)=山腹工
▼円光寺(日光市)=山腹工
▼キドガサワ(日光市)=流路工修繕

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