県建築課20年度受託事業 受託180件で141億円 足利統合校が設計、那須庁舎に着工

[2020/5/9 栃木版]
 県建築課は、設計・監理など業務委託と工事を合わせ180件で141億8944万円を受託する2020年度建築事業の計画概要をまとめた。内訳は、業務委託が68件で9億8659万円、工事は112件に132億0285万円となった。県建築課によると、新築では足利高・足利女子高校の設計を総合評価を併用した指名競争入札で発注するほか、那須地方合同庁舎は2月議会に工事請負案件を提出する見通しを示した。

 業務委託の68件で9億8659万円は、前年度に比べ件数が1.2倍、金額も2.5倍となっている。学校施設・県営住宅等の長寿命化対策や県有施設省エネ加速化事業に加え、地方庁舎をはじめとした県有施設の老朽化対策が始動し、既存施設の改修が本格化。加えて高等学校の再編計画に伴う統合・共学化に向けた対応とともに、延命化のできない地方庁舎の統合や建て替えが始まっており、20年度は足利高・足利女子高校新築と宇都宮中央女子高校の共学化に伴う施設整備の設計が目玉。

 足利統合校の新築設計は、新校舎がRC造3階建て・延べ8320平方m、体育館はRC造一部S造一部2階建て・延べ2390平方mのほか、武道場・運動部室棟・駐輪場などの新築を計画。宇都宮中央女子高校は、男子生徒受入に伴うトイレの改修等既設の改修を進めていく。

 老朽化に伴う長寿命化対策では、警察本部庁舎の空調など各機械設備等の更新に向け設計を委託。1996年9月に竣工したSRC造13階建て・地下2階に塔屋が2階の延べ2万2352平方m。今年度は基本調査を行い、不具合箇所を特定。優先順位を決め来年度の実施設計に備えていくとした。

 工事の112件132億0285万円は、前年度に比べ件数が30件増え、金額は約5億8000万円増加した。

 工事の目玉は、大田原市の那須野が原ハーモニーホール南側1.7haに整備する那須庁舎。今秋を目途に実施設計をまとめ、2月議会に工事請負案件を提出する見通し。老朽化し市内に分散している那須庁舎、県北健康福祉センター、大田原土木事務所、那須農業振興事務所の4施設6出先機関を統合する。経営管理部の60億円のうち約40億円を那須庁舎の新築工事で占めている。

 設備関係の工事では、とちぎ福祉プラザの空調を改修。RC造4階建て・延べ9393平方mの長寿命化対策を行うとした。

 環境森林部は設計・工事とも、照明のLED化や空調更新等を進める省エネ加速化事業が主体。対象施設は、衛生福祉大学校、河内庁舎、今市警察署-など。

 保健福祉部の新築の目玉は、那須塩原市に整備する県北児童相談所。狭あいで老朽化している現在の施設を解体し、同敷地内に新施設を整備するもので、構造と規模は木造2階建て・延べ850平方m。

 産業労働観光部は、マロニエプラザの受水槽改修設計。設計と工事は、県央産業技術専門校のキュービクルを改修する。

 農政部は県北家畜保健衛生所の解体工事に伴い、設計と工事を受託。このほか中山間馬頭中部の和見地区に整備するコミュニティセンター2棟の工事を実施する。

 県土整備部は、総合教育センターなど水平投影面積200平方m超で高さ6m超の特定天井対策を実施するほか、県営住宅団地の長寿命化対策が主体。解体対象の住宅は那須塩原の埼玉、那須の黒田原、長寿命化では小山の羽川で外壁改修と屋上防水を実施する。

 教育委員会の工事の目玉は、日光霧降アイスアリーナの改修工事。アリーナSRC造2階建て・延べ6073平方mのリンク凍上対策などとして製氷設備改修や空調機更新等を行う。県立学校の長寿命化対策では、宇都宮南高校普通教室棟と今市高校特別教室棟の給水設備改修。特別支援学校では、富屋特支高等部訓練棟、聾学校、今市特支の体育館などの屋根・外壁改修を実施する。

 警察本部の工事2件は、宇都宮東警察署に整備する倉庫車庫棟と倉庫棟。なお、本部庁舎の基本調査は経営管理部の予算とした。

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