県舗装長寿命化見直し 改善修繕移行へ年度末策定 県道路保全課

[2020/10/31 栃木版
 県は、2014年度に策定した舗装長寿命化修繕計画を見直し、新計画を今年度末にも策定する。第1ステップの緊急修繕に概ね目途が立ったためで、予防保全の観点から第2ステップの改善修繕に移行するもの。県道路保全課によると、5年をかけて実施してきた約3400kmの路面性状調査(MCI指標)のデータがまとまってきており、走行性を前提に市街地は山間地に比べ、振動の低減など舗装に求められる機能面などの指標も考慮し、計画を見直していきたいとした。計画策定は、ニチレキ(東京都千代田区)が担当している。

 舗装長寿命化修繕計画は、限られた予算の中で適切な管理水準を確保することが前提。適時・適切な修繕の実施により寿命を延伸させることで、トータルコストを縮減するとした。このため事後的対策から予防保全的対策に移行し、事業費の平準化を図るため14年度に策定したもの。

 舗装の維持管理指数のMCIは、「ひび割れ率」「わだち掘れ量」「平坦性」-3つの値から舗装の損傷度を10段階で評価する。数値が大きいほど良好で、MCI5.1以上を望ましい管理水準としている。同計画では、劣化・損傷の深刻な区間としてMCI3.0以下の約1000kmについて、概ね5~6年で解消することを目的に対策を実施してきた。

 新計画では、MCI4.0以下の修繕が必要、同5.0以下の修繕を行うことが望ましいまで拡大し、予防保全を進めていく。推進手法では現計画と同様に、パッチングやシール材注入、薄層舗装などを積極的に実施し、舗装の長寿命化を図るとした。

 耐用年数はコンクリート舗装が20年、アスファルトは10年と一般的に言われているものの、降雨などにより水が舗装面に浸み込み冬場の凍結等と合わせクラックが発生。水密性を高めた施工技術や、市街地においては振動等を低減する高機能舗装の検討とともに、修繕の目安の設定に当たっては、交通量や沿道環境・地域特性・路線の重要度なども考慮し対応していくとした。

 計画の推進に当たっては、点検・診断・措置・記録のPDCAのメンテナンスサイクルを確立。定期的な路面性状調査により舗装の状態を把握、長寿命化修繕計画の検証を行うとともに、実態に即した計画に随時見直すことで、より効率的で効果的な管理を行うとした。

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