マンション建替え検討 青葉区の「カルコスビル」 国交省の計画支援が決定(マンション建替推進協会)

[2020/11/12 宮城版]
 国土交通省は、マンションストック長寿命化等モデル事業(第2回)の採択プロジェクトを決定した。県内の事業では、マンション建替推進協会の「カルコスビル」が計画支援型で採択された。計画支援型は、事前前の立ち上げ準備段階への支援タイプとなっており、同協会が用途複合マンションの建て替えの方向性を検討するに当たり、調査・検討費などを補助する。
 カルコスビルは、仙台市青葉区二日町にある複合ビルで、地下1階地上8階建て延べ6498平方mの規模。住戸数は24戸。オフィスや店舗なども入っている。建築年数は約45年。視認性の高い好立地の用途複合型マンションにおいて、建て替えや大規模修繕、敷地一括売却など、今後の事業の方向性を検討する。負担となるテナント立ち退きの選択肢を抽出し、比較検討した上で、事業の方向性を見出すことになる。
 国交省がマンションストック長寿命化等モデル事業を採択するに当たっては、評価事業者である国立研究開発法人建築研究所が評価委員会(委員長・松村秀一東京大学大学院特任教授)を設置し、審査した。
 審査の概評では「カルコスビル」に関し、「好立地のマンションでの建て替え手法には敷地売却の方法、用途の違いによる事業性の検討、隣地を含めた再開発の検討など、さまざまな検討が想定され、その中かから事業の方向性を見出す点は先導的であり、他のマンションの選考になり得る」として評価された。
 国交省では、今後急増する高経年マンションについて、適正な維持管理を促進し、長寿命化に資する改修や建て替えを促すため、本年度から先導性の高いマンション再生プロジェクトを支援している。
 本年度第2回目の公募は、7月1日~9月30日に行い、25者から29件の提案があった。その中から、計画支援型の11件と、工事支援型の3件を採択した。
 計画支援型は、補助率が定額で、1プロジェクトあたり最大500万円。事業実施期間は最大3年間。補助対象は長寿命化などに向けた事業実現に必要な調査・検討経費。事業要件は区分所有者が10人以上で、耐用年数の2分の1を経過していることや、原則として調査・検討が完了後、速やかに長寿命化等の事業実施に関する提案を行うことなど。
 工事支援型は、補助率が3分の1で、補助対象が調査設計計画費や、長寿命化計画に資する工事費のうち先進性を持つものに要する工事費。事業要件は、25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定していることや、新たな技術の導入・工期短縮につながる工法の工夫があることなど。

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