人材育成へ林業大学校設置 福田知事に意見書 木造の全天候型施設 県環境森林部

県環境森林部は9日、宇都宮市の県総合文化センターで、とちぎの林業人材確保・育成のあり方に関する検討会(座長・有賀一広宇都宮大学農学部教授)を開き、林業人材の確保と育成を目的に、県主導による林業大学校等人材育成施設(人材育成拠点)のあり方を意見書案に盛り込んだ。同施設は全天候型で木造とし、県内各地からアクセスの容易な地域に設置する。同意見書案は内容を精査し、近く福田富一知事に提出する見通し。 =2面に林業人材の育成体系システム概要

 同意見書案によると、人材育成施設は▽1年を通じた長期研修に加え、短期研修を計画的に実施するため、全天候型の施設や実習・演習のフィールドを確保する▽ICT技術や労働安全に優れた施業方法が習得できるよう必要な設備を備えるほか、研究機関やメーカー等と連携し最先端の情報を得られる体制をつくる▽森林・林業・木材産業の魅力を発信するのにふさわしい拠点となる木造施設▽受講生や講師の利便性を図り、県内各地からアクセスが容易-などとすべきとした。

 本県の民有人工針葉樹林は7割が利用期に移行し、木材利用と森林の若返りが必要な状況。第2期県民税事業では、皆伐と再造林を推進するとしているものの、所有者や境界が不明な森林が多いことに加え、林業労働力の不足が課題となっている。

 本県の林業従事者は2013年度以降、約660人で推移。このうち65歳以上の高齢者が増加傾向にあり、林業担い手の若返りと新規就業者の定着が課題となっている。背景には、全産業と比較し、給与水準が100万円程度低く、事故・災害発生率は約10倍。人材の定着には、雇用環境の整備と労働安全対策が求められているとした。

 同部では検討に当たり、林業経営体と新規就業者双方へアンケート調査を実施。林業人材の確保について人口減少などの社会情勢や低水準の給与体系等の雇用環境を踏まえ、新規就業者の追加的確保と合わせ、施業の集約化や機械化の促進など労働生産性を高め、従事者の定着と向上に対応すべきとする基本方針をまとめた。

 新規就業者には約1年の長期就業前研修制度を設け、知識と技能、安全作業と必要な資格の習得、現場対応力の強化を目指すとした。定員は15~20人程度とし、新規就業者の動向を踏まえ適切な規模とすべきとしている。また、就業後にはレベルに応じた知識と作業、技能や指導スキル、林業経営力の向上等の短期的な研修を実施するとしている。

 研修等人材育成の受け皿となる拠点的な施設として林業大学校が挙げられるが、20年度における道府県立の就業前長期研修を設置しているのは、北海道・岩手・秋田・山形・群馬・福井・長野・岐阜・静岡・京都・兵庫・和歌山・島根・徳島・高知・熊本・宮崎・大分の18の林業の盛んな各道府県。11年度以前は6校しかなかったが、12年度の京都府立林業大学校をきっかけに、全国的に林業大学校等の設置が相次いでいるという。

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