スターツグループ特定 成田駅西口市有地活用 複合ビルなど提案(成田市)

[2020/12/11 千葉版]

JR成田駅の西口周辺

JR成田駅の西口周辺

 成田市企画政策課は、JR成田駅西口市有地活用推進事業に伴う公募型プロポーザルを実施、優先交渉権者としてスターツコーポレーション(東京都中央区)を代表とするグループを選定した。構成企業は、スターツCAM、スターツファシリティーサービス、スターツアメニティーの3社。駅前市有地の有効活用に向けて、S造6階建て延べ1万0558平方mの本体棟と、S造2階建て延べ1890平方mの駐輪場棟を整備することを提案している。

 今回の公募には3者が参加表明、最終的に同社を含む2者が企画提案書を提出した。外部有識者2人を含む6人で構成する選定審査委員会を10月28日に開き審査した結果、同社を優先交渉権者に決定した。

 提案内容の詳細をみると、事業コンセプトには、同市の地域性を表す「空(スカイ)」と、官民が連携する同事業の象徴となる自由通路(デッキ)を組み合わせ「成田スカイデッキ」を設定。

 施設については、駅前にふさわしい賑わいの創出に向け、商業施設などが入る本体棟と駐輪場を整備する。本体棟の1、2階にカフェやドラックストア、駅前番所、公衆トイレ、3階に生鮮食料品などを扱うスーパーマーケットがテナントとして出店。3階自由通路に、地域交流スペースとなる「成田デッキテラス」、4~6階に単身者およびファミリー向けの賃貸マンションを配置する。

 また、バス停留場前を半屋外空間とし、駅前広場を改良、イベントなどが実施できるスペースを創出する。バリアフリー化については、民間施設部分で、駅前広場から自由通路につながるエスカレーターとエレベーターを整備、多目的トイレを設置する。

 オプションとして既存公共施設部分では、駅改札通路から自由通路へとつながる「下りのエスカレーター」を新たに設置、駅前広場から自由通路につながる既存施設の壁面にエレベーターを新設する。

 さらに、景観にも配慮、日本の伝統的なデザインであるすだれを施設全体に採用する。 

 市有地の所在地は、馬橋8番地1ほか16筆。敷地面積は6205平方m。事業区域内の既存施設は、駅前広場を横断する歩行者専用の陸橋(ペデストリアンデッキ)2基、自由通路など。

 公募にあたっては、事業区域の全てを利用し、市民の利便性の向上に寄与する、駅前にふさわしい、にぎわいの創出と魅力ある施設を自由に提案してもらう。導入する機能は▽地域住民と駅利用者双方の生活利便性向上▽バリアフリー化やユニバーサルデザイン──などへ配慮する。

 整備・運営方法は、事業者が定期借地権などを設定し、民間施設を整備運営するとともに、公共・公益施設の整備を提案する形態を想定。事業者は、市有地を借り受け、自らの費用負担により民間施設を整備、維持管理する。公共・公益施設については、事業者との協議後、市において整備、運営することになった場合は、貸付対象面積から除く。

 契約形態は、定期借地権方式を基本とするが、その他の提案も可能。借地期間は30年以上50年以下とし、協議により決定する。貸付料は1平方m当たり月額800円を最低価格とし、事業者が提案する価格とする。

 既存施設については、現状のまま使用、または解体して新たに整備、いずれの提案も可能としていた。

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