7地区27事業を推進 概算事業費は約54億円 水害の防災・減災構想案(宮城県角田市)

[2021/3/19 宮城版]
 角田市は18日に開かれた市議会全員協議会で防災・減災構想案を説明した。構想は2019年10月の東日本台風により甚大な浸水被害を受けた7地区ごとに発生原因を検証し、そのハード対策を盛り込んだもの。二線堤の機能確保に向けた市道大沼野田前線の延伸など、市全域事業も含め今後10年間で27事業を推進する。概算総事業費は53億8100万円を試算する。

 防災・減災構想は、復旧・復興に向けた復旧工事の推進と共に、浸水被害が集中した7地区のハード対策を計画的に取り組むために策定を進めている。計画期間は21~30年度の10年間とする。昨年11月の全協で中間案を示しており、今回は修正・追加箇所の説明や各対策の事業スケジュール、概算事業費を示した。対象地区は▽小田・裏町▽左関▽岡・江尻▽江尻・谷津前▽野田▽枝野▽神次郎──の7地区。住宅密集地や河川などの近接地となっている。

 地区ごとの主な対策や事業費は別表に示す通り。家屋浸水が740棟に上った「小田・裏町地区」は、小田川上流の赤生ため池の決壊や、越水など複数の発生要因が認められている。対策では県などへの要請も含め7事業を盛り込んだ。概算事業費は7地区で最も多い29億3900万円を試算。新設改良を想定している市道大沼野田前線は、施工中の住社橋(小田川)から北側の谷地町地区方面に延長760mほど延伸させる計画だ。

 左関地区では、5事業に取り組む。概算事業費は6億5800万円。市道駅前花島線の止水壁設置のほか、中間案から避難路の確保に向けて市道戸地掛梶賀線と市道関の内1号線のかさ上げによる機能強化を追加した。

 また新たに市全域の取り組みとして3事業を追加。国・県管理河川の浚渫の要望のほか、緊急浚渫推進事業を活用した市管理河川の浚渫などを追加している。

 今後、防災・減災構想案のパブリックコメントを実施し、21年度から本格的に取り組みを進めていく。
角田市防災減災構想案

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