「建設業界はパートナー 新たな湾岸道路など道筋」千葉国道事務所長 小島昌希氏 就任インタビュー

[2021/5/7 千葉版]
20210507c 国土交通省千葉国道事務所の小島昌希所長が4月1日付けで就任した。本紙インタビューに応え、「建設業界は重要なパートナー」と話すとともに、本省での道路行政の経験を活かし、「新たな湾岸道路や千葉北西連絡道路などに道筋をつけていきたい」と抱負を語った。

──これまで携わってきた仕事は。

 「近畿地方整備局や和歌山県庁などに配属となり、道路関係部局で経験を積ませてもらった。本省では道路特定財源の一般財源化に関わり、世の中の仕組みを知る上で、大変貴重な経験となった。これまでを振り返ると、大半は道路行政に携ってきたことになる」

──千葉県との関わりと印象は。

 「住まいが江戸川区なので、千葉県は、まさに生活圏となっている。浦安の公園に自転車で遊びに行ったり、船橋で買い物したり、日常的に馴染み深い」

 「非常に広く、多様性があるという印象だ。北西部では東京と一体的な生活圏となっており、一方で南房総や銚子では、風光明媚な、大変素晴らしい観光地を抱えている。それが仕事の課題でもあり、意識しなければならない点でもある」

──就任の抱負は。

 「現場は約10年ぶり。国土交通行政、道路行政で最も大事な組織は、事務所と出張所だと思う。現場を抱え、直接乗り出す出先事務所の与えられた役割は非常に大きい。緊張感を持って仕事に取り組んでいきたい」

 「直轄道路を管理するだけでなく、大規模災害時に市町村へ支援するなど、国の役割は広がっている。県や市町村、建設業界とコミュニケーションをとりながら、ニーズの把握に心がけていく」

 「高規格道路などネットワーク整備をはじめ、無電柱化やバリアフリーなど、施策のフィールドも拡大している。本省で経験した全国規模の計画を現場で実現していきたい」

──重点的に取り組みたいことは。

 「道路ネットワークの整備は、地域へのインパクトが大きく、まさに国が取り組むべき事業。産業や物流、地域・観光振興など、地域の発展に大きな役割を果たす。老朽化対策も含めた安全・安心な道路ネットワーク整備は、この事務所の求められている一丁目一番地の施策だ」

 「新たな湾岸道路や千葉北西連絡道路などの検討を本格化し、道筋をつけていきたい。圏央道の大栄・松尾横芝間については、2024年度の開通に向けて、全力で取り組んでいく」

──建設業界に求めることは。

 「建設業界は、地域インフラの担い手となっている。災害協定を締結し、災害時には、昼夜を問わず出動してもらっており、安全・安心を支える大変重要なパートナーだ」

 「生産性を向上させるため、建設業界の皆さんとともに、デジタル・トランスフォーメーション(DX)に本気で取り組んでいきたい。われわれ発注者の覚悟も問われている」

■プロフィル
(こじま・まさき)

 2003年に東京大学大学院工学系研究科を修了後、国土交通省に入省。近畿地方整備局の企画課長、本省道路局の高速道路課長補佐、企画課道路政策企画官などを歴任し、4月1日から現職。趣味はテニスと囲碁。広島県福山市出身。1979年生まれの42歳。

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