病院解体を年度内発注 新庁舎建設へ/解体設計が公告(宮城県気仙沼市)

[2021/5/19 宮城版]

病棟などを解体撤去する旧市立病院。跡地には新庁舎を建設する

病棟などを解体撤去する旧市立病院。跡地には新庁舎を建設する


 気仙沼市は、旧気仙沼市立病院の既存施設を解体撤去し、跡地に新市庁舎を建てることにしており、病院施設の解体設計に着手する。解体設計業務は18日付で一般競争入札を公告しており、31日まで参加申請書を受け付け、6月2日に開札する。市は早ければ年度内に解体工事費を予算化し、工事発注までこぎつけたい考え。並行して、年度内には新庁舎建設の設計費を予算計上し、別途、新築設計業務も委託したい意向だ。

 旧市立病院は、田中184他に位置しており、敷地面積が1万9781平方m。このうち平場面積は約1万5000平方m。病院施設は南病棟、管理病棟、増築棟の3棟で延べ2万5144平方mの規模。付帯施設は看護学校や寄宿舎、職員会館、労働組合の事務所で延べ2587平方m。これらを全て解体撤去する。

 18日付で入札公告したのは「旧気仙沼市立病院解体調査設計業務」。解体の方法や工程を検討し、概算工事費を算出するほか、アスベスト調査などを実施する。基本的には地上部分の解体設計が対象となる。業務の履行期間は12月28日まで。

 入札の参加資格は、県内に事業所を置き、市の登録業種が建築設計コンサルタント業務で、2014年10月1日以降に病床100床以上の総合病院等の解体設計を元請で受注し、完了させた実績があることなど。設計JVによる実績は代表者のものに限る。

 市は本年度予算で解体設計費に8857万円を計上した。

 新庁舎建設の基本構想では、病院跡地を造成し、一部地下1階地上6階建て延べ約1万1000平方m規模の新庁舎を建てることにしている。駐車場は来庁舎用と公用車用で計268台、駐輪場は50台を確保する見込み。造成では計画高さを海抜10mと想定し、敷地周辺からの高低差を擁壁でカバーする。

 基本構想段階の概算工事費は、新庁舎の建設費が69億1000万円、既存施設の解体費が13億9000万円、造成費が7億9000万円、関連費が1億1000万円で計92億円とした。基本構想の策定支援業務は国際航業(気仙沼営業所・気仙沼市)が担当した。

 現在は、梓設計(東北事務所・仙台市宮城野区)に委託して基本計画をまとめている段階。6月には基本計画案を議会や市民に説明し、7月中の計画策定を予定している。この中でより詳細な施設規模や概算工事費、建設スケジュール、建設手法などを示す。

 担当課の総務部財産管理課新庁舎建設係では、年度内に新築の設計費を予算化し、設計業務を委託したい意向を示している。ただし、基本設計と実施設計を分けるかどうかといった点については、基本計画で建設手法を固めた後でないと明らかにできないようだ。

 今後のスケジュールは、2021~23年度で基本・実施設計をまとめるとともに、22年度から既存病院の解体工事を本格化する予定。23年度ごろから造成工事を始め、24年度ごろから新築工事を進める見通し。26~27年度の完成を予定している。

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