28年度末供用を確認 成田空港の機能強化 熊谷知事ら

[2021/5/22 千葉版]

記者の質問に答える熊谷知事

記者の質問に答える熊谷知事

 熊谷俊人知事が、空港周辺9市町の首長らと、知事就任後はじめて成田空港を視察した。空港内に設置されたPCRセンターや新しいランプタワー「ランプセントラルタワー」などを視察、成田国際空港(NAA)の田村明比古社長から説明を受けるなど、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大するなか、水際対策はじめとした空港の現状を把握した。視察後には県・国土交通省・空港周辺9市町・成田空港の四者による意見交換会を開催し、計画通り2028年度末の供用開始を目指して空港の機能強化を実施することを確認した。

 視察後の意見交換会には、熊谷知事のほか、成田市の小泉一成市長ら9市町の首長、田村社長が出席。国交省航空局の和田浩一局長は、オンライン形式で参加した。

 冒頭あいさつで、熊谷知事は、「開店休業のような状況のターミナルに、あらためて新型コロナウイルス感染症の影響の大きさを実感した」と視察した感想を述べ、「第3滑走路の予定地をみながら、更なる機能強化について説明を聞き、その必要性や事業規模の大きさを再認識できた。空港は千葉県の宝であり、更なる機能強化を関係市町の発展につなげていきたい」と、空港を中心とした地域振興に意欲を示した。

 意見交換会では、国交省から航空分野をめぐる状況、NAAから成田空港の運用状況とさらなる機能強化の取り組みについて説明があった。

 新型コロナウイルスの影響を受け、航空需要の回復には当分時間がかかるものの、更なる機能強化については、国の成長戦略の一環として計画通り着手。C滑走路・B滑走路延伸の早期完成に向け、事業用地の取得や建設工事を着実に進め、28年度末の完成を目指す。

 意見交換会を終えた熊谷知事は、「あらためて四者の結束を深めていかなければいけないと確認した。多くの住民の理解と協力によってこそ機能強化は実現できる。住民のみなさんにしっかりとお応えできるような、まちづくりや地域との共生を進めていきたい」と意欲を表明。

 県が国に提案している国家戦略特区の指定については、「それぞれの関係者から大変期待しているとの話があり、思いを共有させていただいた」と説明。

 更なる機能強化による恩恵の格差是正については、「圏央道や第3滑走路などの整備により、空港東側や南側でも活性化を実現しやすい環境が整ってくる」と指摘し、「それをどう生かすのか市町村と県の共同作業になる」との考えを示した。

 同席した小泉市長は、「県が中心となって進める地域振興に、われわれもしっかりと協力させていただくことが大事」と応じ、田村社長は、「開港43周年を迎えたその日に、熊谷知事はじめ周辺市町の首長のみなさんに視察をしていただき非常にありがたい」と謝意を表明。「緊密に連携しながら、国の水際対策が講じられるように全面的に協力していく」と話した。

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