栃木県事業連絡協議会 中橋改築事業に着手 国と県が意見交換4号バイパス整備を推進

[2021/07/02 栃木版]
 国土交通省関東地方整備局(土井弘次局長)は6月30日、本年度の「栃木県事業連絡協議会」をWeb方式で開催した。整備局や水資源機構と県をリモートでつなぎ、本年度予算をはじめ河川、道路など所管する主要事業について、情報の共有や意見の交換を行った。整備局は本年度、20年度補正予算と21年度当初予算を一体的に執行して、河川事業は那珂川河川改修や鬼怒川直轄砂防事業などを、道路事業は西那須野道路や日光川治防災などを推進する考え。また、次年度の補正予算獲得には前年度補正予算の執行状況が影響するとして、早期の予算執行への協力も求めた。

 協議会には、整備局から見坂茂範企画部長や大井裕子建政部長、西澤賢太郎河川部長、高松諭道路部長らが顔をそろえた。水資源機構からは野仲典理ダム事業部次長が、県からは田城均部長をはじめ県土整備部の次長、課長らが出席した。

 見坂部長は開会にあたり、日頃の国土交通行政への協力に感謝するとともに、「これから出水期、台風シーズンを迎えることから、防災・減災にも連携してあたらなければならない」と話した。また、国土強靭化5か年加速化対策やインフラDXを取り上げ、国と県が連携して取り組む重要性を強調した。

 田城部長は「県土整備部としても、防災・減災、国土強靭化5か年加速化対策に伴う20年度第3次補正予算について、その効果を速やかに発現すべく早期執行に努めており、上半期に100%の発注を目指すため各関係課長に指示したところ」と明らかにし、事業執行に改めて整備局の支援を求めた。

 議事はまず、関東地方整備局から本年度の事業について説明。本年度の県内の直轄事業予算は、河川56億円、道路44億円の計100億円となるが、これとあわせて20年度第3次補正予算で55億円が措置されている。整備局は、この当初予算と補正予算を15カ月予算として、一体的に執行していく考えを示した。

 河川事業は、昨年度末に流域治水プロジェクトが全ての一級水系で取りまとまった。県内は鬼怒川流域や小貝川流域、渡良瀬川流域、那珂川流域が関連しており、特に那珂川流域は緊急治水対策プロジェクトも含めて様々な事業を進めていく。

 流域治水プロジェクトとあわせて、流域治水関連法案も5月に公布され近く施行される予定と報告。特定都市河川の指定や浸水被害防止区域、貯留機能保全区域の指定に向けて、県や流域自治体と一体となって取り組むため協力を求めた。

 渡良瀬川に架かる中橋の架替事業は、周辺の堤防に対し橋梁部が2~3m程度低いことから、足利市内の浸水被害軽減のため本年度から特定構造物改築事業に着手しており、本年度は橋梁下部工を実施予定と報告した。

 道路事業はまず、国道4号西那須野道路について説明した。那須塩原市内の延長4.6kmのバイパスおよび現道拡幅事業となり、本年度は調査設計、用地買収、改良工事、電線共同溝工事、歩道橋工事を実施するほか、22年度には烏ヶ森公園歩道橋に着手する。

 同じく4号の矢板大田原バイパスは、矢板市から那須塩原市まで延長7.9kmのバイパスと現道拡幅事業で、本年度は調査設計を実施し、23年度の土屋地区用地買収着手に向けて事業を推進する。矢板拡幅は、東北道矢板ICから矢板大田原バイパスまでの延長6.5kmの現道拡幅事業で、本年度は調査設計や用地買収を実施して23年度の前岡地区改良工事着手を目指していく。

 建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及・活用については、進捗状況を説明して県にも一層の取り組みを求めた。また「地域防災拠点建築物整備緊急促進事業」では、一時避難場所整備緊急促進事業が本年度新たに創設され、浸水想定区域の避難者受入スペースや防災備蓄倉庫の整備に支援が可能になっているとして積極的な検討を呼びかけた。

 水資源機構は本年度、工事の最盛期を迎える思川開発事業に事業費133億3800万円を確保して本体工事や導水施設工事、付替道路工事などを実施するほか、藤原・奈良俣再編ダム再生事業も事業費1億9700万円で洪水吐きゲート製作などを実施する。

 思川開発事業は現在、ダム本体の基礎掘削工事を実施中で、本年度後半には盛立工事を開始する予定。導水施設は黒川・大芦川の取水・放流工と南摩注水工を進めるとともに、シールドマシンによる掘削工事にも着手している。

 県からは、東日本台風からの復旧と再度災害の防止のために実施している7河川の改良復旧事業を説明したほか、流域治水対策事業や砂防事業などについて説明した。

 道路・交通事業は、スマートICの事業中箇所の推進を図り、アクセス道路の整備も急ぐ。あわせて、足利地区の本年度の準備段階調査箇所採択を目指すとともに、壬生地区の構想も検討する。直轄国道は事業中の4号や新4号のほか、国道121号日光川治防災の直轄権限代行の整備推進、および国道120号金精道路の通年開放に向けた直轄権限代行による整備の検討などを求めた。

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