集団移転の計画策定 新年度予算案 トンネルLED化へ設計(那須烏山市)

[2022/3/1 栃木版]

 那須烏山市はこのほど、2022年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比2.6%増の111億6000万円で、4年振りに110億円を超える規模を編成した。このうち普通建設事業費は、4億3855万円と前年度から2668万円(5.7%)減少している。建設関連の主な新規事業は、防災集団移転促進事業やトンネル照明のLED化へに向けた設計、農業基盤整備促進事業、都市計画見直し検討業務など。なお、新庁舎整備に関する予算計上は無く、現在は計画の見直しを公共施設の再編と併せて実施している。=2面に建設関連事業と予算額

 一般会計の規模が110億円を超えた主な要因は、いちご一会とちぎ国体の開催経費1億1796万円をはじめ、給食・副食費助成費3960万円や集団移転促進事業計画策定業務費3300万円、選挙費4898万円などを計上したため。

 このうち集団移転促進事業計画策定業務については、那珂川水系流域治水プロジェクトにおける被害対象を減少させるための対策として、リスクが高い区域での移転誘導を国の機関と連携して推進する。新年度は予算額3305万円を計上し、測量や調査を含めた計画策定業務を発注して、宮原地区や下境地区を対象とする計画を2カ年で策定する。

 トンネル照明のLED化は、市のカーボンゼロシティの取り組みの一環として積極的に取り組む考え。新年度は三箇トンネルと小白井トンネルの2カ所で設計を策定するため、委託料850万円を計上した。

 農業基盤整備促進事業は、下川井地区の農地の大区画化や汎用化を図るにあたり、土地改良事業を実施する前段となる計画立案や測量・調査、および調査図面の作成などを行うため、2045万円を予算化している。

 都市計画見直し等検討業務には、660万円を計上した。都市計画街路の見直しや中心市街地の用途地域の変更、清水川せせらぎ公園や緑地運動公園の都市公園化などを検討する。

 旧熊田小学校の老朽施設解体は、設計を策定するため90万円を予算化。旧境診療所は適応指導教室に利活用するため、空調の改修工事など500万円を確保した。花立峠憩の森公園は、防護柵や丸太階段の修繕に256万円を計上する。

 また継続事業は、大桶運動公園施設整備事業に500万円を計上。老朽化した駐車場の更新などを2カ年継続事業で実施しており、2年目となる新年度は事業の完了を目指す。

 道路整備事業は1億4810万円を計上し、市道西野三箇線ほか7カ所で引き続き整備を実施する。辺地道路整備事業は、下川井柏崎線や田野倉曲畑線の整備で8020万円を計上。橋りょう等維持管理事業には、長寿命化計画に基づく橋りょうの定期点検や補修のため4320万円を計上した。

 特別会計では、農業集落排水事業が4.1%減の6049万円、下水道事業が0.8%減の3億3145万円。下水道事業は、公営企業会計への移行準備も実施する。

 企業会計の水道事業会計は、水道管の更新工事や各種設備の維持管理に必要な予算の計上に伴い、前年度を2.5%上回った。水道台帳システムの導入に1334万円を予算化して、水道管や設備の定期的な更新に取り組んでいく。

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