トンネル工を発注へ 補正予算で事業費確保(宮城県 気仙沼市唐桑地区)

[2022/3/8 宮城版]
 気仙沼市は、市道小鯖鮪立線の付け替えでトンネルを掘ることにしており、国の2021年度補正予算でトンネル工に必要な事業費が配分されたことを明らかにした。市の2月補正予算に工事費を計上しており、関係機関との調整が整えば、事業費を繰り越して22年度にもトンネル工を発注する可能性がある。

 同線は唐桑町で鮪立漁港や小鯖漁港の背後を縦断しており、大震災津波の被害を踏まえ、県が設ける防潮堤の上に道路を通すため、一部区間を付け替える。全体延長は1550mで、幅員は車道が6・75m、歩道が片側に2・5mの全幅9・25mを確保する。

 これまでに整備済みの延長は450m程度で、残る1・1㎞程度は今後に工事発注する。残り区間には延長約55mのトンネルを設ける計画になっている。トンネルは、小鯖地区と田の浜地区の間に計画堤防高よりも高い位置に山があるため、掘削する必要があると判断した。

 道路整備の全体事業費は17億2000万円を試算しており、財源に社会資本整備総合交付金を活用する。国に予算要望した結果、ようやくトンネルの工事費が配分された。全体完成の予定時期はこれまで2032年度末としていたが、今回の大幅な配分額の増により、5年間短縮されて27年度末となる見通し。

 県は海抜9・9mの高さで防潮堤を新設した。小鯖鮪立線の現道が防潮堤の位置と重なったため、天端部分に市道を付け替えた。防潮堤上部の道路工事は、県気仙沼土木事務所や県気仙沼地方振興事務所が防潮堤の工事と合わせて発注した。

 今後は市が未着手区間の工事を発注する。付け替え道路の測量設計・地質調査・解析業務は中央コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。

 なお、市は2月補正予算に道路新設改良事業費として9億4301万円を計上した。このうち、工事費は9億2718万円を充てている。この中には、小鯖鮪立線のほか、萱原ノ沢線と明戸瀬向線の道路改良費や、田中前3号線ほか8路線の舗装補修費、笹が陣3号線ほか8路線の交通安全対策費、馬籠橋などの橋梁補修工事費が含まれる。

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