本県は13棟で使用 公立学校の木材利用状況(文部科学省)

[2022/3/19 茨城版]
 文部科学省では、公立学校施設における20年度の木材利用状況調査結果をまとめた。20年度に新しく建築された全ての学校施設805棟のうち、73.9%に当たる595棟に木材が使用された。木材使用量は3万9572立方mで、このうち1万4240立方m(36%)が木造施設、2万5332立方m(64%)が非木造施設の内装木質化などとなった。これにより、全国の学校施設の木造施設は、全施設36万8494棟のうちの3万2497棟となり、全体の8.8%を占めている。本県では、全13棟あった新築工事全てに木材が使用され、このうち5棟が木造により整備されている。

 この調査は、全国の公立学校施設(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)を対象に、木造施設の整備状況や非木造施設における内装木質化の状況、学校施設の木材使用量について調査したもの。

 それによると、20年度に新しく整備された805棟のうち、木造が全体の19.1%に当たる154棟、非木造(651棟)のうち内装木質化などが同54.8%に当たる441棟となり、合わせて595棟(73.9%)に木材が使用された。

 これらを木材使用量で見ると、木造が全体の36%に当たる1万4240立方m、残りの64%が非木造の内装木質化などの2万5332立方mとなり、全体で3万9572立方mとなっている。このうち、国産材使用量は、木造で1万0364立方m(72.8%)、非木造の内装木質化などで1万3078立方m(51.6%)となり、合わせて2万3442立方m(59.2%)が国産材となった。

 595棟の建物用途を見ると、校舎・園舎が304棟(木造31棟、非木造の内装木質化など273棟)、体育館が94棟(木造7棟、非木造の内装木質化など87棟)、武道場が13棟(木造2棟、非木造の内装木質化など11棟)、寄宿舎が26棟(木造25棟、非木造の内装木質化など1棟)、その他(倉庫、屋外トイレ、部室、プール付属室など)が158棟(木造89棟、非木造の内装木質化など69棟)となった。

 本県の内訳を見ると、新しく建築された13棟全てが木造または非木造の内装木質化などとなり、このうち木造は5棟、非木造の内装木質化などは8棟となった。木造では、北茨城市立磯原中学校のや常陸太田市立水府小・中学校などがあり、いずれも構造部に木造(一部RC造)が使用された。また、非木造の内装木質化では、つくば市立葛城小学校や日立市立日高小学校の建設工事に木材利用が行われた。

 これら県内の木材使用量は、全体で3330立方mに上り、このうちの60%に当たる1998立方mが国産材となった。これらの内訳を見ると、木造では1172立方mのうち78.2%に当たる916立方m、非木造の内装木質化などでは1998立方mの50.1%に当たる1082立方mが国産材となっている。

 文科省では、今回の調査結果を受け、各地方公共団体に対して公立学校施設における木材利用の促進に関する通知を発出。22年度からは、学校施設の内装木質化を標準化するとともに、引き続き木造校舎の整備に対する国庫補助を実施するほか、関係省庁と連携を図りながら、講習会など様々な機会をとらえて木材を活用した学校施設づくりを普及・啓発していくとしている。

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