関場で床固工2基 本年度の治山事業 国補52カ所に17.6億円(県森林整備課)

[2022/6/3 栃木版]

 県森林整備課は、2022年度に実施する主な治山事業箇所を明らかにした。森林整備を含む国庫補助と交付金事業は、佐野市など8市2町の52カ所を対象に17億6425万円を予算化し、新たに家隆沢(佐野市)の谷止工や関場(那須塩原市)の床固工、宮山田(宇都宮市)の谷止工・山腹工などを実施する。これとは別に、21年度補正分でも新規の護安沢(那須塩原市)を含め、5市9カ所に事業費5億0500万円を配分した。また22年度の県単事業は、6市4町の30カ所に1億6627万円を予算化している。

 治山事業は、台風などで被災した林地の早期復旧および保安林の持つ公益的機能の維持増進を図るとともに、防災・減災、国土強靭化対策に資する渓間工や山腹工を実施するもの。大規模な災害箇所の復旧や現年に発生した災害箇所の緊急的な復旧には国庫補助を活用し、それ以外の小規模な災害箇所の復旧は県単事業で実施している。

 本年度の国庫事業の新規箇所を見ると、復旧治山事業では佐野市の家隆沢で谷止工1基を整備する。また予防治山では、那須塩原市の関場で床固工2基の整備を計画。林地荒廃防止事業では、宇都宮市の宮山田で谷止工1基と山腹工0.03haを実施する。

 新規以外の主な箇所は、機能強化・老朽化対策で矢板市のウスン沢の流路工を計画し、本年度は水叩工や渓床保護工を実施する。ウスン沢は水流による洗掘を防止するため、経年劣化した流路工を修繕している。

 また21年度の補正分では、5市9カ所に事業費を配分した。佐野市の地蔵山は法枠工2300平方mや山腹緑化工0.04haを実施し、日光市の白石川は谷止工1基と山腹緑化工0.2haを、新規の護安沢(那須塩原市)では渓間工として谷止工2基を整備する。

 県単事業は、単年度施工を主体に30カ所で事業を実施する。主な箇所のうち、宇都宮市の熊の鷹沢では流路工延長145mを実施し、大田原市の八溝山では谷止工1基を計画。塩谷町の大笹では、山腹工0.04haを施工する。

 主な事業箇所は次の通り。(▼は新規)

 《国庫・21年度》
【復旧治山】
▽大日向(宇都宮市)=渓間工・山腹工
▽地蔵山(佐野市)=山腹工
▽シレガ沢(鹿沼市)=渓間工
▽白石川(日光市)=渓間工・山腹工
▼護安沢(那須塩原市)=渓間工

 《国庫・22年度》
【復旧治山】
▼家隆沢(佐野市)=谷止工
▽島田沢(鹿沼市)=谷止工・流路工
▽伊勢沢(日光市)=谷止工
【保育】
▽入会山外(那須町)=下刈
【予防治山】
▽片田(大田原市)=山腹工
▼関場(那須塩原市)=床固工
▼野辺山(さくら市)=山腹工
▼シナシ沢(塩谷町)=山腹工
【林地荒廃防止】
▼宮山田(宇都宮市)=谷止工・山腹工
【機能強化・老朽化対策】
▽ウスン沢(矢板市)=流路工

 《県単》
【県単治山】
▽熊の鷹沢(宇都宮市)=流路工
▼遠木向沢(鹿沼市)=流路工
▼八溝山(大田原市)=谷止工
▼大笹(塩谷町)=山腹工
▼長源寺(那須町)=山腹工
▼三春沢(鹿沼市)=全体計画調査

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