DBOで1月に公告 新ごみ処理施設 来夏にも落札者決定(足利市)

[2022/11/2 栃木版]

 足利市は、南部クリーンセンター(野田町826-1)を改築して整備する新クリーンセンターについて、このほど整備・運営事業の実施方針や要求水準書案を明らかにした。DBO方式で事業を行い、2023年1月中旬に入札を公告して2月に参加表明書などを受け付けた後、8~9月に落札者を決定する。設計および工事の着手は24年1月となっており、28年3月末に竣工させて市に施設を引き渡し、28年度から新施設を稼働する。

工事着手は24年1月ごろから

 整備・運営事業者の選定は、エイト日本技術開発北関東支店(さいたま市浦和区)が支援業務を担当している。市は入札に参加する企業に対して、23年3月に対面的対話を実施する。入札書および技術提案書は6月に受け付け、8月に入札参加者へのヒアリングなどを行う。8~9月に審査結果を通知・公表して落札者を決定し、10月に基本協定、11月に特定事業契約の仮契約、12月に本契約を締結する。

 新クリーンセンターは、敷地面積約6haに新焼施設(エネルギー回収型廃棄物処理施設)、マテリアルリサイクル推進施設、ストックヤード、管理・環境啓発施設、余熱体験施設を新設する。南部クリーンセンター解体後の外構設計、跡地の整備における広場や緑地等の設計、跡地整備後の運営・維持管理も、今回の事業に含まれる。

 事業者の行う業務は▽事前業務(事業を実施するための特別目的会社の設立)▽設計、建設業務▽一般廃棄物処理施設の運営・維持管理業務▽余熱体験施設の運営・維持管理業務-とし、市は事業者へ一般廃棄物処理施設や余熱体験施設の運営・維持管理業務で対価を支払う。余熱体験施設の運営・維持管理業務は、事業者を指定管理者に指定する見込みだ。

 入札参加者は、市内に本社や本店を有する企業を3者以上含め、このうち3者は市の建築一式工事の格付でAランクの特定建設業とする。プラント設備の設計・建設を行う者の要件をすべて満たす1者が代表企業となり、運営事業者の最大出資者とする。設計・建設業務は、代表企業を含む複数の企業による特定建設工事共同企業体を組成することができる。余熱体験施設の設計や運営事業者が、他の入札参加者の構成企業となることは可能となっている。

 施設の建築物と設計を行うのは構成員または協力企業とし、2002年以降に地方公共団体発注した一般廃棄物対象の発電設備付き全連続燃焼式焼却施設の建築物について設計・建設工事の受注実績を持つなどの要件を満たす、市の入札参加資格を持つ事業者とする。市外企業は、経審の建築一式工事の総合評定値が1000点以上とする。

 プラントの建築物と設計を行うのは構成員または協力企業とし、プラント建設企業は経審の建築清掃施設工事の総合評定値が1000点以上とする。地方公共団体が発注した、各種条件による一般廃棄物処理施設の設計・建設工事の受注実績を元請けとして複数件有することが要件となる。

 一般廃棄物処理施設の運営・維持管理業務を行う者は、同業務の実施を目的とした特別目的会社とし、業務を行う業者は特別目的会社の構成員とする。地方公共団体が発注した、各種条件による一般廃棄物処理施設の運営・維持管理業務実績を1年以上かつ複数件有することを要件とする。

 余熱体験施設の運営・維持管理業務を行う者は、入浴施設・健康温浴施設・トレーニング室を備えた今回の事業の余熱体験施設の類似施設の運営・維持管理業務を1年以上有することを要件とする。

 新焼却施設は、ストーカ式焼却炉で1日当たり152トン(24時間稼働、76トン×2炉)の規模とし、廃熱ボイラ設備で発電するほか場内利用、園芸施設、余熱体験施設への熱供給を行う。マテリアルリサイクル推進施設は1日当たり28.5トン(5時間稼働)以上で、ストックヤードは91.6トンの保管量とする。

 管理・環境啓発施設には、管理棟、研修室、展示スペースなどを配置する。余熱体験施設は、入浴施設、温水プール、トレーニング室などを設ける。管理・環境啓発施設と余熱体験施設は合棟とし、新焼却施設やマテリアルリサイクル推進施設と渡り廊下で接続する。これら2施設と、新焼却施設やマテリアルリサイクル推進施設との合棟も提案できる。

 新焼却施設とマテリアルリサイクル施設の合築、マテリアルリサイクル推進施設とストックヤードの合棟・別棟・一部別棟などは、事業者の提案によるものとする。

 事業スケジュールは、実施設計が24年1月から25年1月頃まで、土木建築工事が25年1月頃から28年1月頃まで、プラント工事が26年4月頃から27年10月頃まで、外構工事が27年11月頃から28年4月頃までを予定している。試運転を27年10月頃から28年4月頃まで行い、28年4月から新施設を稼働させる。運営・維持管理期間は、2028年4月1日から2048年3月31日まで。南部クリーンセンター跡地整備設計の期間は、契約締結日から28年3月31日までを予定している。

 なお、南部クリーンセンターの解体工事は28~29年度、解体した跡地の整備工事は30~31年度を予定しており、今回の事業に含まれない。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.