新消防庁舎は2025年度着工 行田住宅跡地で(船橋市)

[2023/3/8 千葉版]

 船橋市は、耐震性が不足している消防局中央消防署合同庁舎を、行田(ぎょうだ)3丁目の国家公務員宿舎行田住宅跡地に建て替える。基本・実施設計を2023~24年度にまとめ、25年度に着工、27年度の運用開始を目指す。23年度予算案には、限度額1億0097万円の債務負担行為分とあわせ、総額1億4632万円の設計委託料を計上している。

 消防局中央消防署合同庁舎は1973年10月竣工。築49年が経過するなど、老朽化が進んでいる。構造・規模は、RC造5階建て延べ2959平方m。耐震性能を示すIs値は0.64。

 市では、Is値が、消防庁舎に求められる目標値を下回ってることや、施設が狭あいなため建て替えの検討を進めてきた。移転候補地の検討にあたっては、災害リスクの低い場所、応援部隊を受援し、連携体制をすみやかに構築できる場所などの立地条件を考慮、行田住宅跡地を選定した。建設場所は、用途の制限などから、県道9号船橋松戸線に面している敷地東側が有力という。

 建て替えにあたっては、新消防庁舎内に、災害対策本部を設置することも検討。合同庁舎西側の複合施設内に置かれている「消防指令センター」も、あわせて新庁舎に移転する。27年度に新庁舎で消防指令システムを更新。28年度から供用を開始する。

 消防指令センター移転後の複合施設の活用については未定。複合施設の構造・規模は、SRC造延べ6階建て3144平方m。1993年3月の竣工。消防局は、同施設の1~3階部分を占有している。

 行田住宅跡地は、日本建鐵跡地の大規模な宅地開発を想定し、行田中学校の運動場拡張用地のほか、新たに整備する中学校の予定地として、関東財務局から取得した。面積は2万5978平方m。取得価格は11億2000万円。既存建物は9棟。用途地域は、第一種中高層住居専用地域と第二種住居地域。現在も中学校用地として教育委員会が保有する。

 市では、合同庁舎の建て替え用地として土地の一部を移管後も、行田中学校と同等程度の面積(2万平方m余)は確保できることから、学校建設は可能と判断している。

 国家公務員宿舎の解体については、今後の設計で具体的な方針を決定する方針だ。

 なお、22年度版の将来財政推計大規模事業一覧では、消防庁舎建て替えに23~31年度の9カ年で39億6670万円、行田住宅跡地の開発には25~31年度の7年間で60億7609万円を投じる方針を示している。

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