概算費に約26億円 道の駅整備 基本計画がまとまる(那珂市)

[2023/3/28 茨城版]
 那珂市はこのほど、那珂IC周辺地域における複合型交流拠点施設「道の駅」整備事業で基本計画をまとめた。計画によると、開発面積は約4.5haとし、概算事業費は約26億円と試算。供用開始時期は28年度を予定する。施設整備では、子育て支援に重点を置き、全天候型プレイゾーンや芝生広場・水広場などを配置。23年度は基本計画に基づき、管理運営体制の構築や、候補地の測量・地質調査を行っていく計画となっている。

 施設のコンセプトは、「那珂でつながる道の駅」とし、那珂ICと地域内外の魅力をネットワーク化し、地域経済の活性化につなげる拠点を創出する。基本計画は、有識者や市民団体などの代表者ら15人で構成する「複合型交流拠点施設道の駅整備検討委員会(委員長・川島佑介茨城大学人文社会科学部準教授)」で検討を重ねて策定した。

 道の駅の整備候補地は飯田押敷交差点北西側で、那珂インター線と菅谷・飯田線(バードライン)に面した場所となる。那珂ICからのアクセス性が良く、平坦で整形な敷地が確保できるが、市街化調整区域で農業振興地域用地区域となっている。候補地に沿って那珂インター線と菅谷・飯田線を結ぶ外周道路を新設するほか、外周道路から那珂インター線へアクセスできる交差点と、菅谷・飯田線の北側へ信号機を設置した交差点を新たに設ける予定だ。

 施設の規模は、屋内面積が2880平方m、屋外面積が4万2120平方mの合計4万5000平方mと算定。屋内施設は、道の駅の基本機能である休憩機能(トイレ、シャワーブース、コンビニエンスストア)と情報発信機能(情報提供コーナー・無料休憩スペース)を配置する。また、那珂でつながる機能として、農畜産物直売所・特産品販売コーナー、飲食施設、加工施設・ベーカリー、コミュニティスペース・多目的室、ベビーコーナー・キッズルーム、全天候型プレイゾーンなども設ける。

 屋外施設は、駐車場1万3000平方mのほか、那珂でつながる機能として、屋根付きイベントスペース、ドッグラン、ほ場、芝生広場・水広場、アスレチック遊具。IC近接の立地を活かした機能として、交通結節機能(高速バス停留所、パークアンドライド、RVパーク)、防災拠点機能(防災設備)、緑地などを配置する。

 これらの整備に係る概算事業費は25億9875万円と試算。このうち、デジタル田園都市国家構想交付金や社会資本整備総合交付金など、約7億6600万円の補助事業の採択を想定する。また、施設の配置計画は、一棟型と分棟型の2つの案を示しており、今後一つに絞り込む予定だ。

 整備・運営手法については、公共が施設を整備し、民間事業者が管理運営を行う公設民営型を想定。その際には早い段階から運営者を選定し、運営者の意見を設計に反映させることが可能な運営重視型の事業スキーム(EOI方式)を採用した指定管理者制度での管理運営形態とする。道の駅の維持管理・運営主体は、指定管理者として第三セクターを設立し、行政と民間事業者などの連携による管理運営体制の構築を図る。

 スケジュールは、23年度は管理運営体制の構築を図り、24年度に基本設計、25年度に実施設計を策定する。26-27年度の2カ年で建設工事を行い、27年度に外構工事を実施して、28年度の供用開始を見込んでいる。

 今後の課題としては、インターチェンジ周辺の開発推進や地域資源の発見・活用、6次産業化の推進、農業振興、地域内、地域内外の交流促進などの地域振興に向けて検討していく考えだ。

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