[2023/4/4　宮城版]
宮城県は2023年度が本格的にスタートした4月3日、本年度の発注予定を発表した。すでに一般競争入札を公告した案件を含め、4月1日時点で建設工事675件、建設関連業務560件を発注する考え。建設工事には、校舎の建て替えなど大型の営繕工事が多く含まれている。佐沼高校(登米市)の建て替えでは、改築工事を2件発注する予定。このうち「佐沼高校舎改築工事その1」は、WTO対象の一般競争入札によって施工者を選定する。

発注額が250万円以上となる建設工事の発注件数は、前年同期より13.6％(81件)増加した。発注する675件のうち、本庁の所管分は40.9％に当たる276件。土木事務所など出先機関の所管分は399件。

主な部局の所管件数は、土木部が376件(本庁115件＋出先機関261件)、農政部が66件(本庁4件＋出先機関62件)、水産林政部が34件(本庁1件＋出先機関33件)、企業局が42件(本庁4件＋出先機関38件)となっている。

また、教育庁は昨年の福島県沖地震で被災した高校の災害復旧など、71件(本庁68件＋出先機関3件)を発注。警察本部は信号機や標識・標示の工事など41件(本庁のみ)を発注する。

四半期別の発注件数は、第1が366件(本庁152件＋出先機関214件)、第2が240件(本庁79件＋出先機関161件)を予定し、上半期で全体の89.8％を発注する。第3は65件(本庁42件＋出先機関23件)、第4は4件(本庁3件＋出先機関1件)を発注する。WTO対象の案件は2件。

佐沼高校の改築事業では、RC造3階建て延べ5200平方ｍ規模の校舎を建設する「佐沼高校舎改築工事その1」と、RC造3階建て延べ2000平方ｍ規模の校舎を建設する「佐沼高校舎改築工事その2」を発注する。2件とも、5月に一般競争入札を公告する予定。その1は概算工事費が28億円となり、WTO対象の一般競争入札を行う。その2の概算工事費は9億円。

佐沼高校の改築では別途、電気工事、衛生工事、空調工事を8月に発注する。

学校施設の老朽化対策では、迫桜高校(栗原市)の校舎を補修する「迫桜高中規模改修工事」を発注し、校舎棟(RC造2階建て延べ1万3585平方ｍ)や体育館(RC造2階建て延べ4534平方ｍ)の外壁、屋上防水、給排水設備などを改修する。概算工事費に20億円を見込み、7月に一般競争入札を公告する。付帯する電気工事、機械工事も発注する。

同校では農場実習棟を建て替えることとし、5月に「迫桜高農場実習管理棟改築工事」の一般競争入札を公告。S造平屋743平方ｍの新施設を建てる。概算工事費は6億円。付帯する電気工事、機械工事も5月に発注する。

22年度に新体育館の工事などが発注された視覚支援学校(仙台市青葉区)では、RC造2階建て延べ4900平方ｍの新校舎を建設する「視覚支援学校校舎改築工事」の一般競争入札が6月に公告される見通し。概算工事費を19億円と試算している。同校の建て替えに伴い、同じ敷地に存置されている「視覚障害者情報センター解体工事」も9月に発注される見通し。

現地改修の方針が決まった県美術館(仙台市青葉区)では、施設の老朽化対策とバリアフリー化を行う「美術館リニューアル改修工事」を5月に発注する。概算工事費は16億円。RC造地下1階・地上2階建て延べ1万2130平方ｍの本館を対象に、新しい展示スペースや県民ギャラリー、キッズスタジオなどを整備する。付帯する電気工事、衛生工事、空調工事も発注する。

岩沼警察署(岩沼市)の改築事業では、5月に「岩沼警察署南庁舎解体工事」を発注し、翌6月には「岩沼警察署庁舎改築工事」を発注する。SRC造5階建て延べ3980平方ｍの新庁舎を建設するもので、概算工事費に21億円を見込んでいる。付帯する電気工事、機械工事も発注する。

営繕工事ではほかに「仙台家畜保健衛生所事務棟ほか新築工事」の一般競争入札を7月に公告する。安養寺(仙台市宮城野区)の既存敷地にRC造2階建て延べ576平方ｍの新施設を建設する。

道路工事では、WTO対象の一般競争入札となる「大谷川浜小積浜道路トンネル工事」を6月に発注する。概算工事費は30億円を見込む。

宮城県は牡鹿半島の中間部を横断する新しい道路を建設する。半島東側の大谷川浜(石巻市)と西側の小積浜(同)とを結ぶ延長1840mの道路を建設するもので、山間部には800mのトンネルを掘削する。

関連する「大谷川浜小積浜道路工事その3」も11月に発注し、小積浜側の600m区間を改良する。概算工事費は10億円を見込む。