小山交差点で事故対策 道路行政マネジメント会議 来月から渋滞12カ所踏査

[2023/9/28 栃木版]

 国交省宇都宮国道事務所と県は27日、「第28回道路行政マネジメントを実践する栃木県会議」(委員長・森本章倫早稲田大学理工学術院教授)を開催した。今回の会議では、渋滞対策で主要渋滞箇所のモニタリング結果を審議し、事務局から本年度の解除候補箇所8カ所と解除検討箇所3カ所を10月から11月にも現地踏査する予定と報告。事故対策では国道50号小山交差点を対象に、右矢の設置や右折待機位置の明示、停止線の前出しなどの対策を検討する案を示し、委員は原案に賛同した。また今回から、宇都宮国道事務所が新たな取り組みを紹介して委員に意見を求めた。会議終了後は、事故危険箇所やLRTの車両基地などの現地調査も実施した。

 渋滞関連の議事では、主要渋滞箇所の進捗状況や最新の取り組み状況を報告したほか、最新データによるモニタリング結果を審議した。主要渋滞箇所は2013年1月に主要渋滞箇所321カ所を登録し、対策を進めてこれまでに47カ所を解除した。本年4月末時点で残る274カ所のうち65カ所が事業完了、87カ所が事業中となっている。

 それ以外の未対策箇所122カ所のうち、対策検討中103カ所(直轄0カ所、その他103カ所)については、今後1年間で交通データや現地観測、意見聴取などを踏まえて渋滞要因を把握し、その後おおむね2~4年間でソフト対策・局地的対策などを中心に幅広く検討を進める。

 最新データによるモニタリング結果では、22年度の解除候補箇所9カ所を現地踏査した結果、このうち▽二区交差点(国道4号)▽廻り谷交差点(宇都宮向田線)▽(仮称)今井病院前交差点(国道293号)▽(仮称)茂路街道口バス停西交差点(宇都宮鹿沼線)-の4カ所を解除する。

 また22年度の解除検討箇所11カ所は、現地踏査した結果▽新鬼怒橋西交差点(国道123号)▽共墾社交差点(黒磯黒羽線)▽大塚町南交差点(宇都宮栃木線)▽(仮称)砂田交差点(国道4号バイパス)▽(仮称)西富山南交差点(国道4号)-の5カ所を解除する

 本年度の解除候補箇所は▽粟宮北交差点(粟宮喜沢線)▽野崎二区町交差点(西那須野下石上線)▽井頭公園入口交差点(国道121号)▽鹿島橋入口交差点(桐生岩舟線)▽(仮称)宇都宮東町郵便局前交差点(宇都宮那須烏山線)▽柳田大橋西交差点(宇都宮向田線)▽寺内南交差点(国道294号)▽(仮称)屋敷北バス停交差点(宇都宮向田線)-の8カ所で今後現地踏査などを行い、主要渋滞箇所の位置づけを検討する。

 本年度の解除検討箇所は▽美原交差点(国道400号)▽JR足利駅入口交差点(桐生岩舟線)▽下岡本交差点(国道4号)-の3カ所で今後現地踏査などを行い、主要渋滞箇所の位置づけを検討。これら現地踏査は、10月から11月ごろの実施を予定している。

 事故対策では、対策候補箇所として国道50号小山交差点を選定し、交通安全メニューを検討する。この交差点は国道50号が片側2車線(交差点流入部3車線)、従道路が片側1車線の十字路交差点で、15年度にカラー舗装などによる安全対策を実施しているが、19年度評価では「追加対策検討」と判定された。

 対策メニュー案は、右折関連事故に対し確実な右折機会の確保のため右矢を設置するとともに、安定した右折を支援するための右折待機位置の明示や右折指導線の設置を検討する。また追突事故に対しては、交差点通過時間の短縮と交差点での判断の迷いの緩和のため、停止線の前出しによる交差点コンパクト化や注意喚起看板の設置を検討する。

 事故危険区間の見直しでは、事故データ354カ所と地域要望62カ所のいずれかで抽出された箇所のうち、現行の事故危険区間を除いた277カ所(国管理53カ所、県管理224カ所)を事故危険区間として追加する。

 さらに、車両の安全性能の向上や道路交通環境の変化などで、事故危険区間選定時から事故件数が減少する未対策区間も存在しており、そのような箇所にも重点的な対策が必要かを改めて委員に確認した。

 宇都宮国道事務所の新たな取り組みは、道路工事の施工時間について働き方改革の観点から従来の夜間施工を昼間施工に変えて実施しているほか、SNSを用いた情報発信で渋滞の軽減や迂回促進を図っている。冬季のスタック車による大規模渋滞の回避では、昨シーズンから冬季のAIカメラによるスタッドレス判定を実施しており、これらの取り組みを委員に説明した。

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