企業誘致へ水源再調査 補正予算で委託費確保(宮城県 気仙沼市)
[2023/10/17 宮城版]
気仙沼市は、企業誘致に向けて新たに水源調査に乗り出す。9月補正予算で調査業務委託費に900万円を確保した。水源調査は昨年度に日さく(仙台支店・仙台市太白区)に委託し、只越地区と片浜地区で実施したが、思うような結果が得られなかった。改めて市内全域を対象に水源を調べる。
水源は立地に興味を持つ企業などに対して紹介できるようにしたいと考えている。まずは地下水源を把握する必要があるため、水道事業者などに相談しながらボーリングや地下水調査を進める。
昨年度は只越地区で300平方m程度の民有地と、片浜地区で松崎片浜の土地区画整理事業地内を調査したが、水質や水量が十分でなかった。
調査業務の委託に当たっては3月16日に一般競争入札を行い、同社が194万7000円で落札した。入札の参加資格は県内に事業所を置き、建設コンサルタント業務(上水道および工業用水道または土質および基礎部門)の登録があることなどだった。
今回の水源調査も一般競争入札で委託するかどうかは検討中だ。
松崎片浜地区の土地区画整理事業地内は市有地で、以前から民間事業者が商業施設を立地する予定になっているが、土地の契約には至っていない。
市の企業誘致に向けた動きとしては、昨年度に適地調査業務を建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)に委託した。市は調査結果を踏まえ、8カ所を適地に選んだ。大半が民有地で地権者らにも相談していないことから、具体的な場所は公表していない。
この8カ所は水源を基準に選んでいないため、これから行う水源調査とは無関係になる。ただし、立地に興味を示す企業がいればこの8カ所も開発候補になりうる可能性がある。
市ではこのほか、東日本大震災の防災集団移転跡地を活用して小泉地区に産業用地を設けている。対象面積は約3.8haで、一部に民有地が含まれている。三陸沿岸道路の小泉海岸インターチェンジ(IC)から約2kmの距離に位置している。市のホームページで事業者向けに用地情報(宅地カルテ)を公開している。
これまでに鎌倉ビール醸造(神奈川県鎌倉市)の立地が決定していたものの、コロナやウクライナ戦争に伴う物価の高騰などもあり、同社は工場の建設を断念した。小泉地区の産業用地は引き続き立地企業を募っている。