[2023/11/10　栃木版]

　県河川課は、9月4日の豪雨で被害を受けた公共土木施設の災害査定の結果を公表した。被災施設は、県管理の河川が一級河川荒川(那須烏山市小白井)など13カ所、同じく砂防施設が中川(矢板市平野)など2カ所、道路施設が国道123号(茂木町天子)など5カ所の合計20カ所で、査定額は計6億0316万円。また、市町管理施設は普通河川あわしま川(茂木町小井戸)など3カ所で査定額は7557万円となった。査定額が決定したことから、このあと国から災害復旧費の交付を受け、本格的な災害復旧工事に着手する。

　公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づく国の災害査定は今月6日から9日に実施され、査定の結果は申請した23カ所いずれも認められた。申請額は6億8070万円で、このうち6億7874万円(査定率99.7％)が認められた。

　県管理河川は、13カ所で5億3351万円が決定した。このうち一級河川荒川(塩谷)の那須烏山市小白井地内では、青雲橋上1号で延長137.0mにわたり表護岸工(面積1690平方ｍ)、青雲橋上2号で延長8mにわたり表護岸工(面積90平方ｍ)を実施する。

　また一級河川内川では、矢板市東泉の鏡山寺橋下で延長87.2mにわたり表護岸工(面積969平方ｍ)と根固工(118個)を、さくら市喜連川の旭橋上では延長95.5mにわたり表護岸工(面積712平方ｍ)と根固工(128個)を実施する。

　砂防は、一級河川中川の矢板市平野の寺山橋下で延長20.0mの表護岸工と、同じく矢板市上伊佐野の傘松堰下で延長22.7mの表護岸工および根固工の2カ所を申請し、2986万円が認められた。

　道路は、国道123号の茂木町天子で延長36.0mにわたり擁壁工と排水工を実施するほか、主要地方道塩原矢板線の矢板市下伊佐野や主要地方道藤原宇都宮線の塩谷町鳥羽新田の舗装工など、あわせて5カ所で3979万円と査定された。

　市町管理河川は、茂木町小井戸のあわしま川左岸と同町鳥生田の鳥生田川左岸、塩谷町船生の江戸川左岸の3カ所で、それぞれ表護岸工を実施する。

　暖かく湿った空気の影響で大気の状態が不安定になった影響で、県内では9月4日に1時間あたり110mmの猛烈な雨が降り、真岡市付近や宇都宮市付近などで「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表された。この大雨の影響で、男性1人が用水路に流され死亡し、住家や道路にも大きな被害が生じた。

　被災箇所と復旧概要は次の通り。
【県管理河川】
▽一級河川荒川(塩谷)左岸(塩谷町大久保〔大久保橋下〕)＝延長41.5m、表護岸工
▽一級河川荒川(塩谷)左岸(さくら市早乙女〔上坪橋下〕)＝延長33.0m、表護岸工
▽一級河川荒川(塩谷)右岸(那須烏山市小白井〔青雲橋上1号〕)＝延長137.0m、表護岸工
▽一級河川荒川(塩谷)右岸(那須烏山市小白井〔青雲橋上2号〕)＝延長8.0m、表護岸工
▽一級河川内川右岸(矢板市東泉〔北橋下〕)＝延長20.0m、表護岸工、根固工
▽一級河川内川左右岸(矢板市東泉〔鏡山寺橋下〕)＝延長87.2m、表護岸工、根固工
▽一級河川内川右岸(矢板市越畑〔三ツ木堰下〕)＝延長10.4m、表護岸工
▽一級河川内川左岸(さくら市喜連川〔旭橋上〕)＝延長95.5m、表護岸工、根固工
▽一級河川宮川左岸(矢板市長井〔大橋下〕)＝延長30.2m、表護岸工、根固工
▽一級河川中川右岸(矢板市上太田〔前沢川合流下〕)＝延長25.4m、表護岸工、根固工
▽一級河川中川左右岸(矢板市上太田〔スマートIC上〕)＝延長88.0m、表護岸工、根固工
▽一級河川中川右岸(矢板市下太田〔下太田橋下〕)＝延長20.0m、表護岸工
▽一級河川中川右岸(矢板市矢板〔中川大橋上〕)＝延長49.6m、表護岸工
【県管理砂防】
▽一級河川中川左岸(矢板市平野〔寺山橋下〕)＝延長20.0m、表護岸工
▽一級河川中川左岸(矢板市上伊佐野〔傘松堰下〕)＝延長22.7m、表護岸工、根固工
【県管理道路】
▽国道123号(茂木町天子)＝延長36.0m、擁壁工、排水工
▽主要地方道塩原矢板線(矢板市下伊佐野〔八方ヶ原〕)＝延長94.5m、舗装工
▽主要地方道塩原矢板線(矢板市下伊佐野〔八方ヶ原南〕)＝延長55.0m、舗装工
▽主要地方道藤原宇都宮線(矢板市長井)＝延長13.0m、盛土、舗装工
▽主要地方道藤原宇都宮線(塩谷町鳥羽新田)＝延長52.0m、舗装工
【市町管理河川】
▽普通河川あわしま川左岸(茂木町小井戸〔姫石〕)＝延長249.2m、表護岸工
▽普通河川鳥生田川左岸(茂木町鳥生田〔仲郷〕)＝延長31.7m、表護岸工
▽鬼怒川水系江戸川左岸(塩谷町船生〔西川尻橋下〕)＝延長41.0m、表護岸工