3事業の継続妥当 根木名川など河川改修は残事業費66億円(千葉県県土整備公共事業評価審)

[2024/1/20千葉版]

 県土整備公共事業評価審議会(会長・轟朝幸日本大学理工学部教授)が19日、オンラインで開かれた。河川事業の「一級河川利根川水系根木名川、派川根木名川、十日川」、街路事業の「市川都市計画道路3・5・26号鬼高若宮線」、道路事業の「主要地方道鎌ケ谷本埜線バイパス」の計3件について必要性や妥当性を再々評価した結果、いずれも事業を「継続」するとの対応方針案を了承した。河川事業の残事業費は66億2000万円。根木名川、十日川流域では、市街地の拡大に伴う雨水の流出増が見込まれており、浸水被害の軽減に向け河道拡幅や築堤の整備を進める方針が確認された。

 審議会では、県土整備部が実施する公共事業の効率化や、事業着手から事業完了に至る過程の透明性の向上を図るため、事業評価を実施している。

 評価対象となった3件は、いずれも社会資本整備総合交付金の対象事業で、前回の評価から5年が経過したことや、事業期間と事業費を変更したことなどから再々評価した。

 根木名川、派川根木名川、十日川の河川改修事業では、浸水被害の軽減に向け河道拡幅や築堤、掘削を進めている。総事業費は93億1000万円、事業延長は、根木名川が1万5010m、十日川が3100m、派川根木名川が3300m。事業期間は2008~37年度。残事業費は66億2000万円で、今年度末の進ちょく率は事業費ベースで28.9%となる。

 事業全体の費用便益比(B/C)は7.0で、事業投資効果の算定に使用する「治水経済調査マニュアル」の更新に伴い、農地被害額が前回96億円から364億円に、約3.8倍も増加したことなどから、前回評価時の1.7から大幅に上昇した。

 根木名川、十日川流域では、成田国際空港の更なる機能強化など流域の開発に伴う雨水の流出増が見込まれており、担当課は、事業用地の取得が進んでいることから、築堤や掘削、副水路工を進めることで事業の進捗が見込めることなどを説明。事業を継続する方針が了承された。

 3・5・26号鬼高若宮線の街路事業では、京成線交差部のアンダーパス化で渋滞を緩和、歩道の整備により歩行者の安全を確保する。事業期間は1999~2032年度。総事業費は80億円。残事業費は22億円で、事業費ベースの進ちょく率は72%。事業全体のB/Cは1.3。

 墓地移転など7件ある事業用地の取得に時間がかかっていることから事業期間を32年度まで7年延長、33年度の供用開始を目指している。

 鎌ケ谷本埜線バイパスについては、今年度末の供用開始に向け、印西市萩原から栄町安食まで約4.5kmの道路整備を進めている。事業期間は1996~2025年度。総事業費は78億円。残事業費は6億円で、業費ベースの進ちょく率は92%。事業全体のB/Cは1.7。

 下井地区の函渠工事で想定よりも地盤が軟弱であったことから対策工事など事業費を7億円増額するとともに、供用後に既存の橋梁を撤去するため事業期間を3年延長している。

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