卸売市場の再整備着手 計画策定プロポ公告(柏市)

[2024/3/21 千葉版]
 柏市は、公設総合地方卸売市場の再整備に必要な基本計画の策定に着手する。将来、柏市場が有すべき施設や機能、新たな活用方法などを具体化するため、基本計画策定支援業務の委託事業者を選定する公募型プロポーザルを公告した。ワーキンググループや民間事業者ヒアリングで出た意見を集約し、必要な機能を検討、敷地内全体の施設配置案を作成する。上限金額は3190万円(税込み)。履行期限は2026年3月まで。

 柏市公設総合地方卸売市場は、開設から50年以上経過、老朽化が進んでいるが、国道16号や県道守谷流山線に近接し、常磐道柏ICに近いなど、事業用地として優れた立地環境にある。そこで、その立地環境と市場用地を最大限に活用するため、市場用地活用の基本計画を策定する。

 主な業務内容は、基本計画の策定、市場内関係者のワーキンググループ開催支援、買出人ヒアリングへの助言、マーケットサウンディング調査の実施、市場運営審議会の開催支援、パブリックコメントの準備など。

 このうち、基本計画の策定では、ワーキンググループによる議論や各社へのアンケートをとおして必要な機能を検討。市場の将来像と再整備の方向性、PPP・PFIなどを導入する場合に想定される事業スキームをとりまとめる。

 市場の再整備を検討するための検討会・ワーキンググループは、全体で4回、青果部で8回、水産物部で8回、花き部で4回、関連事業者で4回の開催を予定している。

 マーケットサウンディング調査は、流通・物流や食品加工、大手デベロッパーを対象に実施を検討する。

 参加資格は、卸売市場の再整備に関する在り方や基本構想、基本計画の策定支援業務を履行した実績が1件以上あることなど。1社ですべての要件を満たさない場合や、複数社での参加の方がより良い提案ができる場合はコンソーシアムやJVでの参加も可能。

 参加意思表明書を4月16日まで受け付け、参加資格確認結果を19日に通知。企画提案書を5月1日まで受け付け、プレゼンテーション審査を9日に実施、選定結果を13日に通知する予定だ。

 柏市公設総合地方卸売市場の敷地面積は8万7300平方m。主な施設は、関連食品棟(延床面積9822平方m)、青果棟(同6800平方m)、水産棟(同9550平方m)、冷蔵庫棟(同1378平方m)、花き棟(同1215平方m)、管理棟(同1407平方m)。

 22年度には、併設道の駅の可能性調査を三井共同建設コンサルタント・流通研究所共同企業体に委託、場内事業者の意向調査や開発事業者へのヒアリングを実施した。

 市場内関係者からは、荷さばき施設の拡充やコールドチェーンの確保など物流強化が必要との意見が多く寄せられたほか、385台分の平面駐車場が必要との結果が示されるなど、道の駅併設には多くの課題があることが明らかになっている。

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