キタイ設計で事業計画 吉田川流域地区の農地防災(北上土地改良)

[2024/4/23 宮城版]
 農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、吉田川流域地区で国営総合農地防災事業を進めるため、事業計画書の作成業務をキタイ設計(東北支社・仙台市青葉区)に委託する。業務委託に当たっては18日に一般競争入札を開札し、同社が1290万円で落札した。同事業では排水機場の再編整備などを計画しており、本年度から地区調査を進め、2027年度の事業化を目指す。

 今回の業務は国営土地改良事業地区調査として委託する。業務内容は総事業費と費用対効果の更新、事業計画書案の作成など。履行期間は2025年2月28日まで。予定価格は1605万円、調査基準価格が1279万2000円だった。22日に落札決定した。

 吉田川流域地区は、東松島市、大崎市、松島町、大和町、大郷町にまたがる水田地帯で、受益面積が約5000ha。2019年の東日本台風による洪水被害を踏まえ、国営総合農地防災事業で排水機場などの再編整備や増強を進める。

 地区内には県営の湛水防除事業などで整備された排水機場が19カ所にある。このうち後谷地と中村を統合し後谷地統合排水機場、中下と浅井を統合し中下統合排水機場、前蒲と藤ノ巻を統合し前蒲統合排水場を新設する。

 このほか三ケ内、若針、弥勒堂、品井沼、羽生の排水機場5カ所は単独で更新する。幡谷、不来内、志田谷地、前川、檜和田、西川、大平の排水機場7カ所は増設する予定。残る山王江排水機場は既設利用する方向で検討している。

 全ての排水機場の概略設計業務や、増設する前川排水機場(大郷町)と新設する若針排水機場(東松島市)の基本設計業務はサンスイコンサルタント(仙台事務所・仙台市青葉区)に委託した。

 本年度は中下統合排水機場や後谷地統合排水機場他の基本設計業務を簡易公募型プロポーザルで委託する。すでに設計プロポの手続きを進めており、中下統合排水機場が5月13日、後谷地統合排水機場他が5月27日に特定結果を通知する予定。後谷地統合排水機場の業務には、三ケ内排水機場、後谷地排水路、中村導水路、中村導水路滑川サイホンの基本設計も含まれる。

揚水機場改修は若鈴コンサルに

 同事務所は、中田二期地域の大泉揚水機場他改修対策検討業務を若鈴コンサルタンツ(東北支店・仙台市青葉区)に委託する。業務委託に当たっては18日に一般競争入札を開札し、同社が1595万円で落札。予定価格は1946万円、調査基準価格が1552万5000円だった。

 同業務は、大泉揚水機場と水越揚水機場を更新するため、改修対策の概定などを行う。履行期間は25年2月12日まで。

 大泉揚水機場は口径1300mmのポンプが3台備わっており、用水能力が毎秒10t。水越揚水機場は口径900mmのポンプが2台で、用水能力が毎秒3.75tとなっている。

 中田地区は1972~87年の国営かんがい排水事業で大泉揚水機場や水越揚水機場、西田排水機場、糠塚排水機場、延長11.5kmの大泉幹線用水路、延長4kmの水越幹線用水路、延長1.8kmの石森幹線用水路などが整備された。いずれも老朽化している。当時の受益面積は登米市と岩手県一関市の4070ha。

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