県内で検討本格化 ウォーターPPP導入

[2024/9/27 千葉版]
 柏市はじめ県内自治体で、ウォーターPPP導入に向けた検討が進んでいる。国の補助金を活用し、今年度、千葉市と船橋市、佐倉市が導入可能性調査に着手したほか、松戸市は庁内で検討を開始した。柏市は、国の交付金を活用し、2027年度から汚水管の改築を実施するため、その要件となっている26年度までに事業者の公募を開始することを想定している。

 公共施設の維持管理に民間活力を導入するウォーターPPPは、PPP/PFI推進アクションプラン(23年改定版)で、その活用が位置づけられた。

 「管理・更新一体マネジメント方式」と、より民間が主体となる「公共施設等運営事業(コンセッション)」があり、3から5年程度の短期契約で複数業務を民間委託する方法がレベル1~3、管理・更新一体マネジメント方式がレベル3.5、公共施訟等運営事業がレベル4とされている。

 ウォーターPPPは原則10年間の長期契約を原則とし、民間事業者が維持管理や更新などの業務執行を自ら決定し、業務を執行する責任を負う「性能発注」となる。

 国交省では、今年度、「下水道分野におけるウォーターPPPガイドライン策定検討委員会」を設置、ガイドライン第1.1版を第2.0版に改訂するための審議を続けてる。

 検討にあたっては、先進自治体における取り組みや導入検討などの知見を反映するため、専門委員として、柏市を含む全国5県市の担当者がメンバーとして参加しており、柏市などにおける導入可能性調査を含むガイドライン策定等業務は、EYストラテジー・アンド・コンサルティングと日本下水道事業団、日本下水道新技術機構の共同企業体(JV)が担当している。

 柏市は、レベル3.5にほぼ該当する管路包括委託を導入しており、22年4月に上下水道事業が組織統合したことから、上下水道一体で行うことも含め検討する。

 一方、千葉市と船橋市、佐倉市の3市は、今年度創設された補助制度「上下水道一体効率化・基盤強化推進事業」を活用、それぞれ導入可能性調査を実施する。

 業務委託先は、千葉市が随意契約で日本下水道事業団、船橋市が指名競争入札でPwCアドバイザリー合同会社、佐倉市が一般競争入札で中日本建設コンサルタント。

 千葉市は、管路と処理場2カ所の維持管理に包括的民間委託を採用しており、導入の可否を含め、エリアや業務範囲、導入時期などを検討していく。

 船橋市は、民間事業者を対象に実施するマーケットサウンディングの結果などをふまえ、今後、導入の可否を決定する。

 管路の包括的民間委託を実施している松戸市は、情報を収集するなど庁内で検討を始めており、今後、導入可能性調査の実施可否など判断することにしている。

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