2橋の設計を月内公告 大崎/佐賀川改修で架設(宮城県北部土木)
[2025/1/18 宮城版]
県北部土木事務所は、大崎市田尻大沢地区の佐賀川に新設する4橋のうち、新たに2つの橋の詳細設計業務を委託するため、月内に一般競争入札を公告する。2件とも履行期間は6カ月で、概算発注金額が3000万円。2橋の架設工事は、同川と、並行する県道涌谷田尻線の位置を入れ替えた後に行う。
田尻川支流の佐賀川は、田尻川の背水の影響で洪水を繰り返してきた。洪水被害の低減に向け、佐賀川と田尻川の合流地点に水門を整備。この水門や佐賀川下流の護岸工事はほぼ完了している。上流は佐賀川と並行している涌谷田尻線と位置を入れ替えることを想定し、道路工事の後、河川の移設工事を行う。
計画では農地が広がる北側に、延長約820mにわたって付け替える。これに伴い、涌谷田尻線から上流側は、川と交差することになる大崎市道や農道の4カ所に3~6号橋の計4橋を架ける。同線から下流側にはすでに1号橋と2号橋が架かっている。
今回の委託では、佐賀川移設後に架ける3号橋と6号橋の詳細設計を実施する。構造はいずれも上部工がコンクリート、下部工が逆T式橋台を予定。橋長は3号橋が12.6m、6号橋が11.4mで、片側1車線の農道や大崎市道の一部として使用する。 橋梁の予備設計は3号橋を中央コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)、6号橋をいであ(東北支店・同)がそれぞれ担当した。
橋梁に関してはこのほか、最も上流側に架ける5号橋の予備設計を協和設計(東北支店・仙台市宮城野区)、詳細設計をいであに委託した。4号橋は予備設計をいであに委託しており、今後に詳細設計を委託する。
5号橋は現時点で橋長12m、幅員4~5mのPC単純プレテンションホロー桁橋を想定。橋台は重力式を見込んでいる。
橋梁の架設工事は河川移設工事後の2026年度以降に実施する予定だ。
涌谷田尻線の改良
佐賀川の河川改修事業と合わせて行う涌谷田尻線の付け替えに関しては、大沢道路改良事業として昨年度に事業着手した。数カ年かけて実施する。本年度の工事は先月23日付で一般競争入札を公告しており、23日に開札する。
本年度の工事は件名が「田尻大沢道路改良工事」で、施工延長が大崎市田尻大沢地区の120m。工事内容は140平方mのブロック積工、延長107mのプレキャストL型擁壁工、延長104mの路側防護柵工、仮設工。予定価格は7686万8000円。工期は3月31日までだが、9月30日に変更する。
入札の参加資格は大崎・栗原地域に本社があり、土木一式工事がSかA等級であることなど。20日まで参加申請書、21~22日に入札書を受け付ける。
全体計画は、同市田尻大沢柳生前一~同泉ケ崎付近の延長400mを対象に、940立方mの道路盛土工、5060平方mの舗装工を行う。道路の詳細設計は護岸の詳細設計と合わせて協和設計(東北支店・仙台市宮城野区)に委託した。
この区間は2019年の東日本台風による洪水で道路の一部が流出・冠水し、地域生活に影響が出たため、「佐賀川工区河川改修事業」と合わせて一体的に整備する。道路は全幅11mで、北側に3.5mの片歩道を設置する。