羽川西浄水場を更新 水道ビジョン案 管路・導水管は耐震化(小山市)
[2025/6/5 栃木版]
小山市は、水道ビジョンの改定案をまとめた。計画期間は2025年度から34年度までで、優先度の高い方策として羽川西浄水場更新整備事業、若木基幹管路耐震化事業、若木・羽川西導水管耐震化事業、重要管路耐震化事業を盛り込んでいる。34年度の目標値として、浄水施設の耐震化率は40.2%、基幹管路耐震適合率は75.8%、重要管路耐震適合率は46.9%を設定している。
市の水道施設は、主に東部地域に配水する羽川西浄水場(水源:表流水・地下水、給水能力:1日あたり3万6000立方m、深井戸7本)、主に中心部地域に配水する鶉島浄水場(水源:地下水、給水能力:1日あたり35175立方m、深井戸3本)、主に中心部・南部地域に配水する羽川西浄水場(水源:表流水、給水能力:1日あたり2万7675立方m、深井戸1本)をあわせ、給水区域面積は109.3平方kmとなっている。
実施方策では、老朽管の更新や非耐震管の耐震化などを進めるほか、震災等の非常時の緊急貯水容量確保へ配水池増設を構想し、容量や用地などを検討する。若木浄水場はDBO方式で耐震化と設備更新に着手しており、29年度に完了する見込みとなっている。
羽川西浄水場は耐震診断を行った後、改修に向けた基本構想や整備方針等を検討する。鶉島浄水場は、予備化など今後の運用方法を検討する。
未普及地域への対応として、今後の拡張区域は西部(美田)区域と東部(絹)区域となっている。西部(美田)区域は主要管路延長約41kmで整備費が42億円、配水枝管が約106kmで整備費が77億円と試算。東部(絹)区域は主要管路延長約11kmで整備費が11億円、配水枝管が約35kmで整備費が26億円と試算している。
このほか、省エネ技術や再生可能エネルギー導入等のカーボンニュートラルの対策、業務委託やPFI等の民間導入の検討、県南地域広域圏での広域化の検討、維持管理および更新・改築計画の策定などを行う。
優先度の高い方策について、羽川西浄水場更新整備事業は29年度まで調査・計画・設計を行った後、30年度から更新工事に着手する。機械・電気設備を計画的に更新し、土木・建築施設は耐震診断を行ってから更新工事または補強工事の手法を判断する。50年間の更新需要は298億円と試算しており、内訳は土木施設が40億円、建築施設が6億円、機械設備が86億円、電気設備が166億円となっている。
若木基幹管路耐震化事業は33年度まで実施し、若木・羽川西導水管耐震化事業は29年度から、羽川西配水系基幹管路は34年度から着手する予定。重要管路耐震化事業は継続的に行っていく。
羽川西配水系基幹管路は、老朽化の進行した上流部(浄水場側)からではなく、耐震適合性を有していない部分から優先的に耐震化する。重要給水施設は、医療機関や指定避難所等を指定しているが、これら施設を見直して配水するルートを抽出し、重要給水施設配水管を選定する。災害時の断水対策として、耐震化済みの基幹管路に接続している重要給水施設の配水管を優先的に耐震化する。