駅舎など実施設計 常陸多賀駅周辺 27年度の着工目指す(日立市)

[2025/7/1 茨城版]
 日立市は、常陸多賀駅周辺地区整備事業で、当初予算に7億0634万円の事業費を計上した。24年度にまとめた駅舎や東西自由通路の基本設計に続き、本年度は実施設計に着手する。着工は27年度を予定し、28年度中の供用開始を目指す。

  この事業は、BRT乗り入れに伴う交通結節点としての機能強化や、常磐線の東西に形成された市街地の連携など、まちづくりの課題を解決する駅周辺の一体的に整備するものとして計画。19年度には整備計画策定委員会が設置され、20年3月までに常陸多賀駅周辺地区整備計画をまとめた。施設整備に当たっては、駅周辺施設の整備を短期的・重点的に整備する一方、これと並行して中長期的に各種の施設整備などを進めていく。

 短期的・重点的な整備では、BRTの日立駅方面へのルート延伸を見据え、▽駅東口の広場整備▽東西自由通路・駅舎の整備▽南北アクセス道路の整備──を掲げた。現在のところ、当初掲げた28年度中の完了を目指している。

 駅舎や自由通路、広場などの中核的施設の整備に当たっては、良好な都市景観の形成や魅力あるにぎわい空間の創出のためのグラウンドデザインを策定。一体的で魅力的なデザインや空間形成を目指している。デザイン監修は、マウントフジアーキテクツスタジオ一級建築士事務所(東京都渋谷区)に委託。昨年8月に基本協定を結んだJR東日本水戸支社とともに基本設計をまとめた。

 基本設計によると、東西自由通路の橋長は約35mで計画。幅員は通路部分を6.5mとしているが、待合空間部分を設けるため、その分拡大されるもようだ。駅舎は自由通路に接続して橋上に整備。おおよその規模は決定しているもようだが、さらなるスリム化を目指して検討が進められているという。JR東日本とは、5月に実施設計に係る協定を結んだ。設計は年度内にまとめる方針だが、検討の余地が残されている箇所も多いことから、次年度に繰り越す可能性もあるという。

 本年度の当初予算には、駅舎・自由通路の実施設計のほか、東口交通広場に係る用地取得費、市道6769号線の付け替え道路・北側アクセスの用地測量や橋梁下部工の積算委託料などを確保した。このうち駅舎・自由通路では、自由通路の実施設計委託料や駅舎改築の実施設計負担金、デザイン監修業務委託料、移転補償負担金、補償調査算定委託料などを計上している。

 本年度は、昨年度に引き続き支障物の撤去作業などを行っている。新設する東口交通広場については、JR東日本やJR貨物が有する線路3線分の敷地を活用する計画で、26年度以降に用地取得を行う。26年度には仮駅舎に着工したい意向だが、実施設計の進捗次第となるもようだ。

 本体工事は27年度からの着工となる見通し。BRTルート部分についても協議を進めているところだが、具体的な着工時期などについては未定としている。

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