宇高BPで跨線橋架設 事業概要 宇都宮向田線上高根沢西工区など事業化(矢板土木)

[2025/7/15 栃木版]

 県矢板土木事務所の2025年度の事業概要によると、事業費は道路・街路事業59カ所に約31億7000万円、河川砂防・ダム事業39カ所に約6億8000万円の、合計98カ所に約38億5000万円を計上している。主な事業は、国道408号宇都宮高根沢バイパスでJR跨線橋や前後の盛土工事などを実施するほか、主要地方道矢板那須線や都計道片岡西通りのバイパス整備で26年度の事業完了を目指す。また新たに主要地方道宇都宮向田線上高根沢西工区や主要地方道大田原氏家線横町工区、葛城沢を事業化し、県道東古屋上寺島線上寺島工区や県道熊田喜連川線南葛城工区、熊ノ草一号沢では調査に着手する。 =主要事業箇所は後日掲載

 国道408号宇都宮高根沢バイパスは、宇都宮那須烏山線までの4車線化が完了し、現在は鷺ノ谷交差点から国道4号まで、延長1900mのバイパス整備を進めている。このうちJR東北本線を跨ぐ高根沢跨線橋(仮称)は、上下分離(上り50.9m、下り51.7m)の鋼単純細幅箱桁橋とし、上り線・下り線とも昨年度までに上部工の製作が完了している。

 本年度はJRに引き渡して、協定に基づきJRで架設工事を実施する。施工時期は下り線が8月11日の夜間、上り線は12月を予定。その後は跨線橋前後の盛土工事や地盤改良工事、補強土壁工事を実施するほか、JR線の北側を走る町道の下をバイパスがアンダーパスする計画となっており、町道を切り回したうえで跨道橋の橋脚の下部工工事も本年度に発注する。

 主要地方道矢板那須線の泉工区は、小学校通学路の歩道整備にあたり、現道は住宅が連担して拡幅が難しいことから、現道の東側に総延長2700mのバイパスを整備している。本年度も引き続き道路改良工事を推進し、26年度の事業完了を目指す。

 都市計画道路片岡西通りの片岡工区は、事業延長1040mのうち現道拡幅区間約680mが供用済みで、現在は残るバイパス区間360mの改良工事を実施している。区間内の函渠工事は22年度から着工して、既にボックスカルバートの据付は完了しており、現在はボックスの上を走る市道やボックス内部の舗装、および前後区間の改良工事を実施して来年度の事業完了を図る。

 主要地方道宇都宮向田線の上高根沢工区は、22年度に供用を開始した県道石末真岡線線の上高根沢工区のバイパスと交差する廻り谷交差点から、石末真岡線現道との交差点までの延長700mで歩道を整備している。本年度も引き続き、道路改良工事を実施して年度内の事業完了を図る。

 県道佐久山喜連川線の早乙女工区は、さくら市の桜の植え替えにあわせて全幅20.5mに拡幅し、歩道を整備している。西側は盛土工事が完了して桜の若木も植栽されており、本年度は東側の盛土工事と道路改良工事を実施する。県道上高根沢氏家線の櫻野工区は、主要地方道大田原氏家線の先線となるさくら市道U1-13号を拡幅改良しており、本年度も道路改良と残る用地買収を進めていく。

 保全部は、国道461号の大渡橋の塗装工事の年度内完了を図る。国道293号の氏家大橋も、22年度から実施している根固め工を継続する。橋脚の洗堀された部分を、根固めブロック約350個を設置して補強する。

 河川は、一級河川江川(烏山)の鹿子畑工区で国道293号から県道佐久山喜連川線まで延長6600mの河川改良を実施しており、これに伴う市道橋境目橋の改築は昨年度まで完了し、本年度護岸工事や築堤、河道掘削工事を実施する。

 急傾斜の中阿久津東IIAは、阿久津中学校体育館の背後の急傾斜地で延長約400mにわたり崩壊対策工事を実施する。本年度は詳細な説明会を開催したあと、用地測量を実施していく。

 本年度の新規事業箇所は、主要地方道宇都宮向田線上高根沢工区の西側延伸区間となる上高根沢西工区を交付金事業化し、延長700mにわたり幅員12mに拡幅して歩道を整備する。

 主要地方道大田原氏家線の横町工区は、22年夏に開通した北側の大野工区の南側の延長約900mで、拡幅と歩道整備を実施する。東側の歩道は現況のまま活用し、西側にも歩道を設けて幅員は現況の8.7mから11.7mへと拡幅するほか、一部カーブの線形を改良する。本年度は用地測量や物件調査、用地買収を予定する。

 葛城沢は、国道293号早乙女交差点の南側の高台にある御嶽山神社の下側の集落に水が流れ込み、土石流の危険性があることから堰堤の整備を事業化し、本年度は測量や砂防堰堤の詳細設計、地質調査を実施する。

 また本年度の新規調査箇所は、東古屋上寺島線の上寺島工区、熊田喜連川線の南葛城工区、熊ノ草一号沢の3カ所。東古屋上寺島線の上寺島工区は、西荒川ダムを観光目的で訪れる人が増えてきたため、西荒川ダムの手前の屈曲・狭あいな区間の拡幅に向けて、まずは本年度に現地を測量して平面図化する。

 熊田喜連川線の南葛城工区は、整備済みの東葛城工区より南側の延長約800mについて、幅員が狭く歩道や路肩も未設置なため、現道を拡幅し片側につき3mの車道と1mの路肩を整備する。本年度は、道路詳細設計を予定する。

 熊ノ草一号沢は、西荒川ダムの東側で西荒川に流れる熊ノ草沢の土石流対策で、堰堤を整備するため本年度は測量を行い図面を作成する。

 このほか、矢板市の西口駅前では県道矢板停車場線と国道461号が交差する扇町交差点、および県道大田原矢板線が交差する扇町北交差点の2カ所で右折レーンが無く円滑な交通に支障を来たしているため、交差点改良に向けた交通解析を実施している。JR矢板駅前の賑わい創出も考慮して矢板市のまちづくりと連携し、前段として円滑な通行に必要な道路の延長や幅員を調査する。

 さくら市の氏家駅東口駅前では、さくら市による区画整理などの面整備を行う場合に備えて、未整備の都市計画道路(県道氏家停車場線)の整備に向けた勉強会を実施しており、その基礎資料として本年度は平面図化を予定している。

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