思川の引き堤が着工 事業概要 深程楡木線磯町は概略設計(鹿沼土木)
[2025/7/23 栃木版]
県鹿沼土木事務所の事業概要によると、本年度は前年度の繰越分も含めて、事業箇所126カ所に事業費約74億5000万円を計画する。内訳は、道路事業が65カ所で約48億5000万円、河川・砂防事業が61カ所で約26億円となった。主な事業は、国道293号楡木バイパスII期で東北道横断BOXの設計を策定するほか、新たに思川の深程工区と大芦川の草久工区、鹿沼足尾線の大越路で着工する。また、県道小来川文挾石那田線の板荷観音寺前と県道深程楡木線の磯町では、本年度から調査に着手する。 =4面に担当部毎の本年度の事業箇所
主要事業を見ると、国道293号楡木バイパスII期は東北自動車道直下の横断函渠の詳細設計をNEXCO東日本に委託し、昨年度末から中央復建コンサルタンツ(東京本社・東京都千代田区)で策定している。このほか事務所では本年度、用地補償を進めていく。
国道293号の上田町工区は、両側あわせて約1kmの整備延長のうち、南側の約100mを昨年度に発注しており、本年度はNTTの既存埋設管との近接区間の工事ををNTTに委託する。
県道鹿沼環状線の千渡北工区は、国道293号から武子川までの拡幅改良を実施しており、昨年度は武子川に架かる堂下橋の下部工工事などを実施した。本年度は、このほど上部工工事を東綱橋梁(下野市)に発注。橋長35.8mの単純非合成鋼鈑桁1連を、432日間の工期で施工する。
主要地方道栃木粟野線の深程工区は、深程楡木線と交差する深程交差点への付加車線設置に伴う拡幅改良と、宮ノ入川を渡河する宮前橋の架け替えを進めている。このほど宮前橋架け替えに伴う迂回路の設置工事を発注し、今後は旧橋の上部工の撤去工事を発注する。新橋は16.4mのプレテンPC中空床版桁で、下部工は直接基礎逆T式橋台2基で計画する。
主要地方道鹿沼足尾線の柏木工区は、道路防災事業として落石対策の法枠工事に事業費に1億4800万円を計上し、単年で工事を完了させる。詳細設計は、22年度に大日本コンサルタントへ発注した。
一級河川思川の深程工区は、国道293号小倉橋から松原堰上流までの延長約6000mのうち、先行して上流側の河川改修を進めている。本年度から大芦川合流右岸部で工事に着手し、このほど築堤工事2件あわせて延長約600mを発注した。堤防の引き堤に伴う築堤工事をはじめ、市道や水路を移設する内容で、本年度はこのほか用地補償を実施する。
砂防事業の思川は、床固工3基と砂防堰堤工6基、帯工2基を整備する計画で、これまでに床固工2基が完成している。本年度は、思川に流入する沢の土石流防止に向けた堰堤の測量・設計を予定している。
大芦川の床固工は、砂防堰堤2号(堤長117m、高さ6.8m)の工事に本年度から着手するほか、同3号(堤長107m、高さ7.5m)の用地補償などを実施する。島田沢は、24年度に発注した渓流保全工事の繰り越し工事を実施して、事業完了を図る。
中ノ畑IICの急傾斜事業は、鉛直式崩壊土砂防護柵工延長157mやロープ掛工2カ所を実施する。24年度は待受柵工延長40mを発注しており、本年度も引き続き防護柵工を発注する。
新規事業は、国道121号の上石川交差点付近で慢性的な渋滞が発生しているため、東北道の鹿沼ICから上石川交差点までの420m区間を拡幅整備し、西進方向に右折レーンと左折レーンを設置する。22年度に詳細設計、24年度に修正設計を実施しており、本年度から事業化して用地買収を進める。
県道上日向山越線の酒野谷工区は、南側の鹿沼足尾線と交差する山越交差点から北側の落合神社北側まで、延長1400mで歩道の整備と道路線形の改良、交差点改良を実施する。昨年度は用地測量を実施しており、本年度から事業化して物件調査を実施する。
主要地方道鹿沼日光線の西小前工区は、歩道や路肩が狭く線形も悪い延長約1040m区間の道路改築事業に着手する。西小学校前を優先区間として、車道と既存の東側の歩道を拡幅するとともに、西側にも歩道を設置して線形を是正する。本年度から事業化し、用地測量などを予定している。
叶桑沢の砂防堰堤は、口粟野地内で砂防堰堤1基を整備するもので、24年度の補正で新規事業化した。昨年度は全体計画策定や測量を実施し、本年度は詳細設計と地質調査を予定する。
また本年度から調査に着手するのは、県道小来川文挾石那田線の板荷観音寺前で、道路改良の中抜け区間延長400mの現道拡幅と歩道整備を実施する。本年度はまず、平面図化と路線測量を予定している。
深程楡木線の磯町は、磯町交差点のT字路で国道293号の旧道と接続しているが、これを十字路として国道293号鹿沼南バイパス、さらにはその東側の国道352号まで接続するよう計画し、本年度はまずルート検討を含めた概略設計を実施する。
保全事業は、県道上久我栃木線の本城橋で昨年度に亀裂の補修や舗装修繕工事を実施しており、本年度は伸縮装置の交換や舗装修繕工事を行って事業を完了させる。県道草久粟野線の金塚橋は、上り・下りとも補正予算を活用して伸縮装置や橋面舗装工事を実施する。主要地方道鹿沼足尾線の上粕尾工区は、道路見下げのブロック積みや横断する沢のボックスカルバート工などを実施する。