真岡鐵道を立体交差 物井寺内線BP 五行川には新橋を架設(県真岡土木)

[2025/7/24 栃木版]

 県真岡土木事務所は、県道物井寺内線の寺内工区で、バイパスの整備を検討している。五行川の東側は圃場整備事業で確保した道路用地を活用し、五行川に新橋を架設するとともに、西側では真岡鐵道を立体交差でオーバーパスする延長約1700mのバイパスを計画して、昨年度に地元説明会を開催し概ね了解を得ている。現在は道路詳細設計2件や五行川橋梁、および真岡鐵道との立体交差の予備設計を実施しており、本年度はこれら設計や地質調査などを実施して、詳細設計をまとめたあと地元向けの詳細設計説明会を開催するほか、旧道移管の覚書を締結する予定としている。

 この路線は、真岡市物井地内の主要地方道つくば真岡線の交点から、同市寺内の国道408号交点までを結ぶ延長約4.3kmの幹線道路。2021年3月に暫定2車線で開通した真岡南バイパスから、物部地区にある国の重要文化財の高田山専修寺や二宮尊徳ゆかりの桜町陣屋跡など、多くの主要観光施設へのアクセス道路としても重要な役割を担っている。

 しかしながら、一級河川五行川より東の一部の区間では幅員が非常に狭く、自動車がすれ違うことが困難であるとともに、道路の屈曲が連続して大変危険な状況にある。また横田地区では、物部小学校や物部中学校の通学となっており、安全な道路環境が望まれている。

 このため県は、物部地区から真岡南バイパスを経由して北関東自動車道真岡ICへのアクセス向上を図るとともに、歩行者や通行車両が安心して往来できるようバイパスの整備を計画している。

 道路計画によると、バイパスは東側の農免道路との交差点から、圃場整備事業で確保されている道路用地を利用して西側に向かい、国道408号バイパスと国道294号バイパスが交差するT字路に接続する、延長約1.7kmで計画する。

 計画標準断面は現況の4mから、車道が6.5m(3.25m×2)と路肩が両側に各1.5m、および歩道が両側に各2.5mの、あわせて14.5mで計画する。このほか、両側の法面も道路用地に含まれ、交差点部や盛土部はさらに幅員が広くなる。

 概略の計画ルートによると、五行川の東側は圃場整備事業で確保済みの道路用地を活用する。また、五行川には新橋を架け、5世紀後半代と推測される前方後円墳の大和田富士山古墳は、文化財保護の観点から支障のないルートを通過する。さらにその西側では、真岡鐵道や真岡市道(旧国道294号)などと交差することから、これを立体交差(オーバーパス)して国道408号バイパスに接続する。

 真岡土木事務所は立体交差の理由について、踏切を設置することで発生が懸念される事故を防止するほか、真岡鐵道に踏切を設けた場合、旧国道294号との交差点が非常に近い距離で連続することによる交通渋滞を避けること、さらには真岡鐵道の交差予定位置の線路の高さが約2m低いところに敷設されているといった地形の問題から、高盛土にしたうえで真岡鐵道およびその左右の市道を跨ぐ立体交差で計画した。

 昨年12月にこれら事業の説明会を開催し、地元から概ね了解を得られたことから、本年2月には測量業務を中央測工(宇都宮市)と篠原設計(真岡市)に、また道路詳細設計を2分割してダイミック(宇都宮市)と富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)に委託して、現在も設計をまとめている。このほか、地質・土質調査業務を第一測工(宇都宮市)とパスキン工業(宇都宮市)に委託し、5月には跨線・跨道橋と五行川の橋梁の予備設計を富貴沢建設コンサルタンツと富士コンサルタンツ(宇都宮市)に委託している。

 本年度は、これら路線測量や道路詳細設計、地質調査、橋梁予備設計の各業務を進め、詳細設計をまとめたあと地元向けの詳細設計説明会を開催する予定としている。

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