施設改築で設計 吾妻小学校 概算事業費に80-85億円(つくば市)

[2025/7/24 茨城版]
 つくば市は人口急増に対応するため、吾妻小学校の改築を実施する。9日には基本・実施設計業務の一般競争入札を公告した。予定価格は2億1861万円(税抜き)。校舎はRC造4階建て延べ床面積約1万平方m、体育館はRC造平屋約1500平方mを想定。2カ年で設計をまとめ、27-29年度の3カ年で建設工事に取り組む。供用開始後は30-31年度で既存施設の解体とグラウンドの整備を予定。概算事業費は80-85億円を試算している。

 吾妻小学校では吾妻二丁目国家公務員宿舎跡地の払い下げに伴う70街区・90街区の大規模開発事業により、児童数の急激な増加を見込む。30年度には特別教室などを転用しても、普通教室が不足する見通し。

 さらに同校が立地する中心市街地(つくば駅周辺地域)は環境省が脱炭素先行地域に指定しており、30年度までに脱炭素化を図る必要がある。特別教室の継続的な転用や校舎増築による教育環境の影響、脱炭素化達成などを総合的に検討した結果、30年4月の供用開始を目指して新校舎を整備する。

 新校舎には普通教室38室程度や特別支援学級室8室程度、特別教室等30室、管理諸室12室などを導入予定。普通教室は通学区域内の就学前人口の将来推計を踏まえ、学級数の変動などに合わせてフレキシブルに使用できる仕様とする。

 特別支援教室では管理諸室(保健室、職員室など)との動線や配置について配慮するほか、クールダウン用スペースの設置を検討。特別教室には理科室や音楽室、図工室、家庭科室、コンピュータ室と各準備室、図書室、多目的室、生活科室などを盛り込む。

 体育館は日常の体育授業や全校集会、音楽会、卒業式などの式典のほか、地域開放をはじめとする多様な用途に活用。また、災害時の避難所として利用するため、空調設備や断熱構造などの導入について検討する。

 プールは25m×6コース程度とし、低学年用プールを隣接。駐車場は隣接している吾妻西児童館、吾妻保育所と引き続き共用する。このほか、防災関係施設として防災備蓄倉庫や防災井戸、非常用発電機の接続や自然エネルギー活用のための蓄電池の設置なども計画している。

 既存施設は校舎が1978年築RC造2階建て延べ床面積5595平方m、体育館が同RC造平屋799平方m。このほか、03年築S造平屋414平方mの増築校舎などを備える。

 設計業務の参加資格は名簿の測量・建設コンサルタントのほか、建築士事務所の登録がある2者JV。代表構成員は一級建築士が3人以上所属し、直近2事業年度の平均売上高が2億5000万円以上であること。また、過去に延べ床面積5000平方m以上の学校施設の新築・改築・増築工事に係る設計業務を元請けとして履行した実績を求める。

 構成員は一級建築士が所属している市内本店業者。過去5年以内に国または地方公共団体などが発注した設計業務を履行した実績を要する。

 参加申請は8月6日まで、入札書は7日から20日まで受け付ける。一般競争入札は21日に執行。業務の履行期間は27年2月10日まで。

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